君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第158章 158
「なぁ、何でまだこっちで寝てんだ?」
「マットレスが届かないから」
が家具を買い、家電もある程度部屋に揃った数日後。
寝間着姿でソファに座り、龍之介に寄り添うに楽の一言。
「いつ届くんだっけ?」
「うんと、明後日!」
ということは、あと二晩は龍之介の部屋で寝ることになるらしい。
風呂は自らの部屋で済ませてくるためそこまで気を使うことは無いが、夜に稀に聞こえる二人の話し声に何やらそわそわしてしまう天と楽である。
「時々話し込んじゃうから、うるさかったりする?」
ごめんね、と申し訳なさそうな龍之介に、そんなことはない、と天と楽は首を振る。
「それはねぇけど…は逆に気になんねぇかなって思ったんだよ」
「私は特に…寝室入っちゃえばいつも通りだし」
「まだ服もちょっと残ってるしね」
「バレた」
「バレバレです」
くすくす笑いながらの頭に口付け、龍之介は微笑む。
「天と楽に気使わせちゃってるなら自室のソファで寝…」
「それはだめ」
「ソファとか体壊すだろ」
「仕事に支障出たら困るでしょ?」
過保護と過保護と過保護に諭され、はこくりと頷きながら苦笑する。
「で、明後日にマットレス届いたら、今度は龍があっちに泊まりに行くんだろ?」
「うん、が満足するまでね」
「いつ満足して帰せるかなぁ?」
にんまり笑いながら龍之介の頬を撫で、そっと口付ける。
「俺が帰りたくなくなるかも」
「それは大歓迎」
「ほんっと、暇さえあればいちゃつきやがって」
「今日は特にね」
「明日いやーな撮影控えてるからね」
苦笑しながらは呟き、龍之介の肩に頭を乗せる。
「いやーな撮影?」
「そ。御堂さんとCM撮影」
から出た名前に、ああ、と天と楽も納得。
明日はアクセサリーブランドのCMである。
仕事が嫌なわけでは無いし、相手がどれだけいやであろうと仕事ならばきちんとこなす。
けれど、それでも嫌なものは嫌なのだ。
「フリとは言えキスシーンあるし、やーだやーだやーだー」
「龍、俺とのドラマん時もこんなに嫌がってたのか…?…」
「ううん。嫌がってなかったよ。緊張はしてたけど」