君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第153章 153
『ずっと、背中を追いかけて来ました。TRIGGERと一緒のステージに立って、一緒に歌って踊る一瞬一瞬が、本当に大好き。私、ずっとステージに立ち続けるから。だから…また、一緒に歌って、踊ってね。天、楽、龍くん、三人とも、愛してる』
袖に視線を向け、微笑む。
瞬間、客席が沸き上がる。
『みんなも、TRIGGERのこと、愛してるよね?』
「愛してるよー!!」
「大好きだよー!!TRIGGER!!」
「ちゃんのことも大好きだよー!!」
『…へへ、ありがとう!みんなで、待とうね!あの三人は絶対期待裏切らないから、ちょーー期待してようね!それでは、でした!みんな!またねー!』
涙を拭い、にぱりと微笑むを、誰もが愛しく思う。
恐ろしいとさえ思う程の魅了する力を、彼女は持っている。
観客たちは、そんなを先程以上の歓声で見送った。
「っ…」
「!!」
「…!」
「ちゃん?!」
手を振りながら笑顔で戻って来たと思ったら、袖に入り客席から見えない位置に入った瞬間、はその場に倒れ込んだ。
瞬間、龍之介、万理、紡が駆け寄る。
「ごめ…大丈夫…」
ちょっと、張り切り過ぎた…。
傍らに膝をつく龍之介の腕を借りつつ、は苦笑しながら身を起こす。
全力のパフォーマンスと、緊張感からか、呼吸が荒い。
「過呼吸…酸素お願いします!」
「っは…大丈、ぶ…すぐ落ち着く、から…」
「喋らなくていいよ。大丈夫だから、ゆっくり息して」
「ん…龍く…は…」
肩で息をするを抱きしめ、そっと背中を撫でる。
スタッフが持ってきた酸素を受け取り、様子を見ていれば、ようやく呼吸が落ち着いて来た。
「も、大丈夫…」
「ダメ。ちゃんと酸素吸って」
「あい」
「楽屋まで運びます」
を抱き上げ、龍之介はに視線を向ける。
「」
「…ん…?」
「ありがとう、俺も、俺たちも、愛してるよ」
「…ん」
嬉しそうな笑みを浮かべ、は龍之介の胸に体を預ける。
「私、十さんと、ちゃんの様子見てます!」
「わかった、頼むね」
「はい!」