君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第153章 153
を抱えて楽屋へ戻った龍之介は、長椅子へを寝かせ、その隣に自らも座る。
紡と共に天と楽も楽屋へ入って来れば、の傍にしゃがみ込んだ。
「倒れるまではしゃがないの」
「天…ごめんなさい」
「怒ってないよ。僕も、君を愛してるから」
「ひぇ…」
そう言って、にこりと微笑みそっとの額を撫でる。
天の言葉に、はやっと落ち着いた呼吸が今度は止まりそうである。
「本当はここにキスしたいけど…龍が拗ねちゃうから」
「それな。、頑張ったな」
「ありがと…楽」
「俺ここにしたかったな。俺もお前の事愛してるから」
「ひゅ…」
くすくす笑いながらの頬を軽くつつき、頭を撫でる。
そんな楽に、止まりかけた呼吸が今度は止まったかもしれない。
「拗ねないよ。が俺たちを本当に大切に思ってくれてるの、分かったから」
そう言いながらも、の唇を撫で、さりげなく死守である。
ここだけは誰であろうとなんであろうと触れるのは許せないらしい。
「客席から、倒れ込むとこ見られてないかな…」
「ちゃんと、見えない位置まで元気に走って来たよ。見えてない。大丈夫」
「そっか…良かった…」
小さく微笑み、はそっと目を閉じる。
「…?」
「寝ちゃったね。オーラスもあるし、少し休ませてあげよう」
あれだけ目いっぱいファンを熱くさせてくれたを、へとへとの状態でファンの前に出させるわけにいかない。
すやすやと寝始めたを、そっと見つめる一同。
それから数十分後、オーラスの為、TRIGGERとはステージに立っていた。
『ありがとうございましたー!』
『また会おうね!』
はTRIGGERの隣に立って観客に手を振る。
すると、ふと龍之介がの頭を撫で、自らと天の間に移動させた。
「へ…?」
そのままTRIGGERの三人からわしわしと頭を撫でられ、観客から歓声が沸く。
「TRIGGER!」
「ー!」
くすくす笑いながらは三人を見上げる。
「三人とも大好き!」
その満面の笑みに、会場の全てが改めて彼女に恋をするのであった。