君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第152章 152
「まず、くんの薬指の指輪」
「あぁ…婚約指輪…」
「婚約指輪?!」
の呟きに、ちょっと待て、と万理が声を上げる。
「それ、本物の婚約指輪?」
「…はい」
「すみません、きちんと準備して報告したかったんですが…」
呟き、龍之介が立ち上がれば、続いても立ち上がって龍之介の隣に立つ。
「ちゃん…まさか…」
「先日、さんに結婚を申し込みました」
「龍之介さんからプロポーズを頂いて、お受けしました」
「俺がこんな状態ですし、さんはまだ高校生で未成年なので、結婚自体はまだ先のことですが…。近い将来、さんと結婚させてください」
真っ直ぐに小鳥遊を見てそう言ってから、龍之介は深く頭を下げ、もそれに続き頭を下げる。
「…二人とも、顔を上げて」
「…はい」
「くんの年齢や、今の現状を考えると早計過ぎる気もするけれど…。君たちはいつもお互いのことを考えて、慈しみあって日々を大切に過ごしていることを知ってるよ。だから、反対はしない」
「社長…」
「けれど、二人の結婚ついて、条件は出させてほしい」
小鳥遊のその言葉に、と龍之介は揃って頷く。
「まず、くん」
「はい」
「高校はきちんと卒業すること。仕事面で、周りに迷惑をかけるようなことはしないこと」
それは例えば、突然の妊娠や、イメージダウンをしないようにという事なのだろう。
「はい、心得ました」
の返答にこくりと頷き、小鳥遊は龍之介に視線を向ける。
「次に、十くん」
「はい…」
「君たちTRIGGERを信じているから敢えて厳しく言わせてもらう。必ず、三人でテレビに戻ること。インディーズのままでは結婚させられない。事務所に復帰、もしくは所属すること。そして、これが一番大事だよ。くんの笑顔を、守り続けること」
「お約束します。絶対に、そのお約束を違えません」
しっかりと頷く龍之介に小鳥遊もまた頷きを返し、二人を見る。
「いつも君たちを見てると思うんだけど…」
「?」
「お似合いだねぇ」
そんな小鳥遊の言葉にと龍之介は顔を見合わせ、そして微笑みながら、ありがとうございます、と頷く。