君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第152章 152
「二人とも、お疲れ様」
「お疲れ様です、万理さん」
小鳥遊事務所へ到着すれば、万理が会議室へ案内してくれた。
そこには、紡、小鳥遊も揃って座っており、龍之介は深く頭を下げる。
「この度は、さんにたくさんの心配と迷惑をおかけしてすみませんでした。小鳥遊事務所の皆さんにも…」
「十くん、くんは微塵も君を迷惑だなんて思っていないよ。僕たちも、君のことをそんな風に思わない」
だから、気楽にしてね。
そんな小鳥遊の言葉に龍之介はありがとうございます、と頷き再度一礼した。
「さて、あらかたくんからは事情を聴いている。その上で、もう一度確認するよ」
小鳥遊が立ち上がり、龍之介を見る。
「くんとの付き合いは?」
「お許しを頂けなくても、俺はを離せません。今の現状では信じて頂けないかもしれませんが、必ずTRIGGERとしての活躍を取り戻します」
「うん、くん。君はどうなんだい?十くんは今、かなり厳しい立場だ。もし君が…」
「私は、龍之介さんと歩き続けます。龍之介さんも、九条さんも、八乙女さんも、決して諦める人たちではありません。立ち止まりません。彼らが強くてカッコいいことは、誰よりも私が知っているし、信じています」
お話を遮ってすみません、と一礼してからは再度口を開く。
「私も、龍之介さんから離れられませんし、もし彼が私から離れようとしたら、がっちりつかんで離しません」
「…ありがとう。離れないよ、俺」
「知ってる。私も離れない」
微笑む龍之介に、もまた微笑みそっと寄り添う。
そんな二人に小さく笑い、わかった。と小鳥遊は頷いてファイルを差し出す。
「ここに、くんの新居になる物件候補をまとめたよ。今少し目を通して、候補を絞ってもらえるかい?」
「はい。お手数かけてすみません。拝見します」
二人で席につき、ファイルを開く。
「セキュリティ面を重視してるよ。東京国際音楽芸術祭から、二人が話題になってるの知ってるかい?」
小鳥遊の言葉に、と龍之介は揃って首を傾げる。
様々なことが起こり過ぎて、二人ともSNSなどのチェックがままならなかったのだ。