君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第151章 151
「うん、分かった。二人ともすぐ来る?」
「ううん、すぐではないよ」
「さすがに、寮と違うから私は出た方がいいね」
「…ごめん。俺から一緒に住みたいって言ったのに…」
「その頃とは事情が違うもん。大丈夫。龍くんが、私と同じくらい天と楽のこと大切にしてるのも知ってる。ね?事務所と相談するから安心して?しかし…それにあたって一つ問題が…」
深刻な顔で呟くに、龍之介はごくりと喉を鳴らす。
「な、何…?」
「溢れかえってるTRIGGERグッズ…運びきれるかな…」
現在、の部屋にと充てられている部屋。
龍之介のマンションは3LDK、そのうち一室は龍之介の寝室となっているため、残りの二部屋に天と楽が暮すことになるだろう。
となると、に充てられている部屋を空にしなければならない。
現在その部屋は、の私物、というより、TRIGGERグッズ保管部屋となり、グッズがこれでもかと溢れかえっていた。
「TRIGGER博物館みたいになってるもんね」
「うん…あれを…新居に…うぅーーん…事務所と相談しますぅ」
項垂れながらはスマホを取り出し、まずは万理へ。
「万理さん、緊急事態です」
『え、何?』
「割と急ぎで、引っ越しをしたいんですが…」
『なんで?!十くんと喧嘩したの?!』
『ええ?!!十さんと喧嘩?!』
『くん?!大丈夫?!!』
万理の言葉に、一緒にいたらしい紡と小鳥遊が過剰反応。
小鳥遊に至っては、万理から電話を奪ったらしい。
「社長…あの、悲観的な引っ越しではないので安心して下さい。十さんとはラブラブ街道驀進中です」
『なんだ、良かった…。引っ越しは、TRIGGERに関係することだね?』
「はい、そうです」
『今から二人が時間あるのなら、二人で事務所においで。その間にめぼしい物件見繕っておくから』
「はい。龍くん、事務所これる?って」
「うん、伺います」
「社長、今から準備出来次第、向かいます」
『うん、待ってるよ。気を付けておいで』
電話を切り、は龍之介を見上げ、準備しよっか、ゆっくり。と微笑む。
「ゆっくり?」
「うん、私たちが行くまでにある程度の物件探してくれるって言ってたから…少しね、ゆっくり」