君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第150章 150
「龍くん…お疲れ様…!最高だったよ…っ!」
「うん…」
「龍くんのこと、誇りに思う。本当に、かっこよかったっ」
「が…いてくれたから。ありがとう、俺にいつも勇気を与えてくれて。愛してる」
「私も、龍くんのこと心から愛してる」
泣きながら微笑み龍之介を抱きしめるの涙を拭い、そのまま口付ける。
もう、人目なんて気にしてなかった。
ただ、この気持ちをすぐに、に、龍之介に、伝えたかった。
「え……十龍之介と?」
「花巻すみれじゃなかったのか?」
周りのスタッフや他の共演者が動きを止め、二人に見入る。
けれど、二人はそんな視線を気にもせず、再び口付け合ってから強く抱き合っている。
姉鷺も、もう二人を止める気などなかった。
けれど、そこに現れた人物を見て龍之介へと視線を向ける。
「龍…」
「…社長…」
「八乙女社長」
姉鷺に声を掛けられ、二人が視線を向けた先には八乙女の姿。
龍之介と目が合えば、八乙女は深く頭を下げる。
「不甲斐なくてすまない」
「そんな…顔を上げてください」
「…いい歌だった」
「ありがとうございます」
ストレートに褒められ、龍之介は驚くと共に安心したように頷き微笑んだ。
そして八乙女は、龍之介に寄り添うに視線を向ける。
「さん」
「はいっ」
「ありがとう」
「え…」
「ファンの声援は、間違いなく君からのエールが大きいだろう。感謝する」
「一ファンとして、真っ直ぐに応援しただけです」
にこりと微笑むに小さく笑って頷き、八乙女は月雲に向かう。
「月雲社長、お話があります」
そう言って連れたって去って行く八乙女と月雲を見送り楽屋へと戻れば、ほどなくして会場にたどり着いた天と楽が駆け付けた。
「龍!!…!」
「ただいま到着しました!龍は…っ!!」
「天!楽!よかった!二人とも無事で…」
「天…!楽…!よか…よかったよぉ…っ」
天と楽の姿にはやっと落ち着いた涙腺がまた緩んでしまう。
けれど、今は違う。ここは泣くとこじゃない。
ぐい、と涙を拭き、そっと三人から離れる。