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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第16章 16




「美味しかったっ!そして食べ過ぎた!ちょっと動きたいなぁ…」
「うーん、俺も食べすぎたかも」
「昨日も移動であんまり動かしてないし…踊りたい」
「ちゃん、踊るの好きだね」

これまでの撮影でも、は合間にダンスでリフレッシュをしていた。
難しいステップなどを龍之介に教わり、それを練習している様を微笑ましく見ていたものだ。

「踊ってる間は何も考えなくていいんです。気持ちいいように体を動かして、気持ちを高めて、体も暖まってほぐれるし、一石十鳥くらいあります」
「あはは、良いことづくめだ」

笑い合いながら立ち上がり、揃ってスタッフたちのテーブルへ。

「お先食べ終わりました」
「お、結構早かったね。移動まで時間あるし、ゆっくりしていいよ」
「はい。あの、どこか体動かせる場所とかご存じないですか?腹ごなししときたくて…」

の問いに、監督は踊れる場所を探しているのだと理解した。数週間とはいえ、長めの休憩に入ればリフレッシュに体を動かしているところを見てきたが故である。

「空いてればホールとか貸してもらえるかもしれないよ。ちょっと聞いてきてもらっていい?」
「はい!!」

アシスタントのスタッフが、食事もそこそこに走っていく。

「あ!…申し訳ない…私行きましたのに」
「いやいや、さすがに女優さん走らせれないよ」
「俺が行ってもよかったのに」
「大騒ぎになるからそれこそだめだよ」

監督の言葉にはうんうんと頷き龍之介を見上げる。

「このシャッター音の嵐が聞こえないんですか十さん」
「そう、だね。すみません」
「三階の小ホール取れました!一時間で良いですか?」
「ありがとうございます!あ、お水!飲んでください!」

肩で息しながら戻ってきたスタッフに水を差し出し、は苦笑する。

「ありがとうございました。食事の途中にすみません…。じゃあ俺らお先に失礼して、ちょっと腹ごなししてきますね」
「疲れすぎないようにね」

監督の注意に、はーいと返事を返し、と龍之介は朝食会場を後にするのであった。


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