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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第16章 16




二人で手を合わせ、頂きますと唱えてから食べ始める。

「ゆっくりでいいとはいえ、おなか一杯のままだと衣装苦しくなるよね」
「ですね。食べ終わってからちょっと動かないと…」

の要望通り、食事の量は始めから少なめに用意されているが、それでもきっと直後に衣装を着るのは苦しいだろう。
なんせコルセットを着用するのだから。試着の時に、本番はもう少しきつく締めますからね、と言われ、思わず「え?!」と驚きの声を返してしまったのは記憶に新しい。

「でも…美味しい…食べちゃう…」
「うん、ほっとするよね。温かい味噌汁…。二日酔いの朝とか飲みたくなるんだよね」
「十さんお酒強いんですか?」
「好きなんだけど、強いのかなぁ…よく天には怒られるよ。ちゃん…は、まだ飲めないね」
「はい、後3年ほど」
「じゃあ、ちゃんが二十歳になったらお酒贈ろうかな」

龍之介の言葉に期待して待ってますと微笑み、は食べ進める。

「む。これ美味しい……どうやって作るんだろ?三月くんに写メと味の感想送ったら作ってくれるかな」

何かが味覚に大ヒットしたのか、は写真をパシャリと撮る。

「三月くんと仲良いんだ?」
「はい。というか、IDOLiSH7のみんな、お兄ちゃんみたいなんです。同じ年だけど環と一織も。私、姉はいるけどあんまり仲良くなくて…なので、今の寮生活すごく楽しいんです」

屈託なく笑いに微笑みを返すものの、龍之介は少々の嫉妬心が芽生えてしまう。

「俺もちゃんと住みたい…」
「ふえ……?」
「……俺今何言った?」
「…私も、同じとだけ…お返しします」

呟き、照れ臭そうに視線を外すをこのまま抱きしめたい衝動に駆られるが、ここはホテルの朝食会場。スタッフもいるし一般客もいる。
見慣れぬ女と朝ごはんを食べるTRIGGERの十龍之介とあれば、注目を浴びないわけがない。
現に視線は痛いばかりに向けられている。
我慢。我慢だ俺…。ほんとこの子前にすると堪え性なくなるなぁ……。
等と自嘲しながら、龍之介はを見て食事を促すのであった。

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