君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第149章 149
「…それ…」
「わがまま通した。これ付けて歌う」
「…うん。じゃあ、俺も」
呟けば、龍之介は衣装の下からネックレスを引き出し、チェーンから指輪を抜いた。
と同じ、右手の中指にその指輪を嵌める。
「…天と楽と、と…歌ってると思えば、もう怖くない」
「うん。私も、TRIGGERをここに連れて頑張ってくるね」
胸に手を置き、は頷く。
二人で微笑み合い、そっと手を繋いで舞台袖に向かう。
「さん、こちらへスタンバイお願いします」
「はーい。よろしくお願いします!…龍くん、行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
にこりと微笑み手を振るに手を振り返し見送る。
「頑張れ、」
マイクを握り、深呼吸を数回繰り返すを遠めに見つめる。
天井を見上げ、軽く口元をきゅ、と結んでからステージに視線を向け微笑む。
「出番です!」
「はい!」
が一歩ステージに現れれば、観客は大きな歓声を上げる。
『みなさん、こんばんは!です!応援してくださる皆さんにたっくさんの愛を届けられるよう、精一杯歌いますので、皆さんもたっくさんの愛をくださーい!ね?』
小首を傾げ微笑むに、更に観客は湧き上がる。
曲が流れだせば、楽しそうに、嬉しそうに笑い踊り出すに、誰もが目を奪われた。
「綺麗…」
「って、可愛いだけじゃないんだ…」
「しかもダンスカッコいい!あれ、十龍之介の振り付けなんでしょ?」
「え、左手の薬指、指輪着けてる!」
大きなモニターに映し出されるの姿に、その指に、歓声と共にざわめきも起きる。
けれど、が歌い出せばざわめきは消えて、大きな歓声に変わった。
二曲歌い切り、一礼してから微笑む。
『ありがとうございました!CMの次は、TRIGGERの登場です!私もファンとして目いっぱい応援しまーす!みんな!またねー!バーイバーイ!』
「ちゃん…まだTRIGGERのファンって言ってくれる…ありがとう…!」
「あの指輪、TRIGGERへのファンって印なのかな?!」