君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第149章 149
「!」
「ナギくん!ありがとう、怪我してない?」
「Off course!私に不可能はありません」
「ふふ、さすがだね。本当にありがとう!」
楽屋を出れば龍之介を無事に救出し送り届けてくれたナギに抱き着く。
そっと抱きしめ返され、準備を、と楽屋に促される。
衣装は着替えてある。
後はヘアメイクだけだ。
「…今回のことを含め、に次何かしたら、俺は絶対に君を許さない」
TRIGGERの楽屋には、出演の準備をしている龍之介と、虎於の姿。
「はっ、どうせお前らは終わりだ。あんたが出て行ったところで、どうなるんだよ?」
それでも、信じて待つ。それでも、やるんだ。
世界で一番大切な子に、勇気をもらい続けているから。
「出て入ってちょうだい。ここはTRIGGERの楽屋、関係者以外立ち入り禁止よ」
姉鷺の言葉に鼻で笑い、せいぜい頑張るんだな、と告げて虎於は部屋を出ていく。
「もうすぐ、ちゃんの出番ね」
「すぐ俺たちの番なので、袖から見てます」
こくりと頷き、準備を終えた龍之介は立ち上がる。
天と楽の姿はまだない。
そこへ、一織が駆けこんできた。
「九条さんと八乙女さん、無事が確認出来ました」
「良かった…!ありがとう、一織くん」
「ここへは?!間に合うの?!」
「…それは…」
言い淀む一織に、龍之介と姉鷺は二人が間に合わないことを悟る。
「難しい、ってことね…そんな…」
「…俺が、一人でも歌います」
「龍…」
「天と楽の分も…二人の心はここにあるから、歌えます」
こくりと頷く龍之介に、姉鷺はわかった、と頷く。
「話し通してくるわ。ちゃんと、袖行くわよ」
「はい!」
頷き楽屋を出れば、同じようにも楽屋から出てきた。
真っ白いワンピースに身を包んだは、まるで天使のように美しい。
「龍くん…!天と楽…」
「うん、間に合わないみたい。だけど、俺、ちゃんと歌うよ」
「うん…。ステージあっためるのは任せて。絶対、TRIGGERの批判なんかさせない」
そう言ってこくりと頷く。
そんなの左手の薬指には、龍之介から贈られた婚約指輪。
右手の中指にも、龍之介から初めて贈られたペアリング。