君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第148章 148
「…っ!!」
「りゅ…う…龍くん…っ」
抱き締められ、は瞳を潤ませて抱き着く。
この香り、この声、この力強さ、全てで龍之介を感じた。
「良かっ…た…怪我は?何かされた?」
「縛られてただけだよ。ナギくんのおかげで助かった」
そう言ってを見て微笑めば、もう一人の人物へ視線を向ける。
「…君の言葉を、信じて行ったんだよ」
「電話の相手、こいつなの?」
「、可愛いお口でこいつなんて言っちゃダメ」
「そいつは悪かったなぁ。用事が出来ていけなくなっちまったんだよ」
いけしゃあしゃあと嘯く虎於は、に視線を向けてにやりと笑う。
「お前が言うその可愛いお口で、ついさっきまで俺の腕ん中で喘いでたぜ?」
「はぁ?」
虎於のその言葉に、の目が吊り上がる。
のだが、途端に龍之介を纏う空気が冷えたことに気付いてそちらへ視線を向ける。
「…俺を騙して呼び出して、それは良い。だけど、を穢すようなことを言われて、温厚でいられるほど俺は人が出来てないよ」
「龍く…」
ガチギレである。
未だかつて、こんなに怒りに満ちた顔をした龍之介は見たことがない。
「…やばい…超カッコイイ…」
今はそれどころじゃないはずなのだが、は思わずつぶやいてしまう。
次いで、自らそういう場合じゃないと、虎於を見る。
「私にキスしようとして壁まで追い詰めたのに、脛蹴られてうずくまってただけでしょ?嘘つくのやめな?つまんないから」
「どこ触られたの?」
「顎」
が顎を軽く指させば、龍之介はその顎を軽く掴んで口付ける。
「へ…ん…っあ」
口付けにも驚いたが、そのまま舌が割り込んできたことにも驚いた。
けれど、は龍之介の全てを受け入れる女である。
そのまま龍之介の首に腕を回し、口付けに応える。
「んもぉ…びっくりした」
「ごめん」
「でも…嬉しい。けど、出番の準備!!…天と楽は?」
「俺たち、三人ばらばらだったんだ…だから…まだ…」
「…そう。龍くんが怪我無いってことは、きっと天と楽も大丈夫だよね?」
不安げな瞳。
そんなの目元を撫でて、龍之介は微笑む。