君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第147章 147
「…え、十さんとさんって…」
「十さんは花巻すみれだろ?」
「でもあれ、デマってちらほら聞こえてくんじゃん。今の不自然なまでのTRIGGER落としとかさ。仕組まれてんじゃないかって」
「で、ちゃんとがガチ?」
「あの雰囲気見たらそう思うって」
事情を知らない者達はと龍之介の姿に、真実を見た気がした。
もしかしたら龍之介は嵌められたのかもしれない。
何がきっかけなのかはわからないが、何かしらでツクモに目を付けられてしまったのだろう、と。
ツクモプロダクションが大きな事務所であるが故に、何かをすぐにすることは出来ないが、龍之介とを見守れたら、そう思うのであった。
「きゃー!龍くんカッコいいー!!」
「ちゃんっ!龍之介の応援ばっかしないでーーっ!!」
「百さんイケメェーーン!!」
「それ千だからーー!!」
これはフットサルだが、元々サッカー選手だっただけあって、百の動きは素直にかっこいいと思う。
そんなことを思いながら、はくすくす笑って、観戦に徹する。
「黙んな?!俺まだ応援されてねぇぞー!!」
「三月くーんっ!!かっこよお兄ちゃーん!!」
「サンキュー!!」
それぞれを応援しながらぴょこぴょこ跳ねるは可愛さしかない。
「さん」
「?はい」
試合も終盤となったころ、横から声を掛けられる。
どこの事務所かは忘れたが、最近売れ出したモデルだ。
今日は運動部の対戦相手としてきたらしい。
「さん。十さんと付き合ってるの?」
「…秘密です」
それは言ってしまっていると同様にも思うが、にこりと微笑むに、一瞬惚ける。
だが、との距離を縮め、微笑んだ。
「付き合ってないんなら、俺とかどう?」
「残念ながら、興味ないです」
アイドル顔負けの眩いばかりの笑顔に、相手は思わずたじろぐ。
丁度その時、龍之介にボールが回り、そのままシュートし見事ゴールを決めた。
「きゃーー!!!龍くーーーーんっ!!超カッコイイ!最高!!愛してるー!!」
いや、付き合ってんじゃん?
とモデルが心中突っ込んだところでホイッスルが鳴り、試合が終わる。
は龍之介の元へと駆け寄り抱き着いた。