君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第145章 145
駐車場に車を停め、車を降りれば手を繋ぐ。
シーズンではないこの時期故に、辺りに人はほとんどいない。
店も昼時だったが客もほとんどおらず、すぐに席に通された。
「運転お疲れ様」
「ありがとう。が横にいるから疲れとかは感じないけどね?」
微笑んでいれば、ふと周りの視線に気づく。
同時に、も同じものに気付いたようだ。
「見られちゃうよね、やっぱり」
「仕方ないよね。美男美女だから」
くすくす笑いながら龍之介を見るに、龍之介もまた小さく吹き出し笑う。
「そっか、仕方ないのか。俺はともかく、は絶世の美女だからね」
「何言ってるのさ、龍くんは世界が認めるイケメンだよ」
大好き。
そう言いながら龍之介の頬を撫で、は微笑む。
「ありがとう、俺も大好き」
「えへへ、嬉しい。さ、何食べるか決まった?」
「うん。刺身定食」
「私はミニ海鮮丼。よし、すみませーん」
店員に注文し、見送ればはスマホを開く。
「ちっ、目撃情報上がらないか…」
「ラビッター?」
「うん。花巻さんとの報道が出てからさ、何でちゃんじゃないんだーってのよく見たから…。ていうか、記者が団子になって、この報道についてどう思いますか?!って聞いて来るくせに、私はまだ十さんもTRIGGERも大好きですっていったらそこカットするの何なのさ」
頬を膨らませプンプンと唸るの頭を撫で、そのまま頬に指を滑らせる。
「でも私との写真が上がるとますますTRIGGER叩き加熱させちゃうのかな…二股だー、とか」
「俺が叩かれる分にはいいけど、が叩かれることになるのは避けたいよ」
「私が叩かれてTRIGGER叩きが和らぐのならどんと来いなんだけど」
「それは俺が耐えられないなぁ」
苦笑しながら、再度の頬に指を滑らせれば、は席を立って龍之介の隣に移動する。
「ダメかぁ」
「ダーメ。はずっと俺のお姫様なんだから。俺が守るよ」
「龍くん…かっこいいよぉ…好き好き好き好き好き好きっ!!」
「声おっきいよ」
くすくす笑いながら、抱き着いてくるを抱きしめ頭に口付ける。