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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第143章 143




「もしもし、お疲れ様」
『、今大丈夫?』
「あと20分くらい余裕っ。何かあった?」
『ううん、の声が聞きたくなった』

相手は龍之介。
そんな一言に嬉しそうに微笑み、は壁に背を預けながら天井に視線を向ける。

「今、晩ご飯何しようか考えてたの」
『今日、の方が帰り早い?』
「龍くん7時でしょ?私、予定は6時上がりだから、早いと思う」
『そっか』
「うん。ね、冷蔵庫って今お肉何があったっけ?」
『えーと、鶏ひき肉と、ささみ…あ、胸肉もあったかも』
「鶏ばっかー」

くすくす笑いながら頷けば、お鍋にでもしよっか、と呟く。

「ささ身とー、ひき肉でつみれ作ろ」
『美味しそう。俺も早く帰れたら手伝うね』
「頼りにしてる。あ、そうだ、龍くん」
『うん?何かあった?』
「今、何故か現場に御堂さんがいる」

そんなの言葉に、龍之介は小さく息を止める。

『虎於くんが…?』
「今日のゲストと一緒に来たみたいなんだけど…」
『大丈夫?』
「うん…、嫌だけど仕事は投げ出せないから。万理さんも警戒心高めでついててくれるから、大丈夫」
『そっか…わかった。気を付けてね』
「うん。龍くん」
『ん?』
「愛してる。また夜にね」
『俺も愛してる。じゃあ、またね』

微笑み通話を切れば、横からこつりと頭を軽く叩かれる。
そちらを見れば小さく息をつく万理。

「愛してるは二人だけの時にしなさい」
「はーい。ごめんなさい」
「いいなー。鍋。俺も夜鍋にしよっかな」
「千さんと百さん誘ったらどうですか?この間、バンは君に構ってばっかだね、って千さんにほっぺ引っ張られました」
「あいつ…うちの大事な女優に何してくれんだ…」

今度三倍にして返しとくね、と微笑まれ、お手柔らかに、と返しておく。
千に対して、万理は割と過激だ。

「さて、そろそろ撮影開始だね」
「はーい。ではでは、行ってまいります!」

にこりと微笑み、セットの方へ向かう。
台本はすでに放置。セリフは覚えきったようである。

「ちゃんはセリフ覚え早いねぇ」
「学校の勉強もそれくらい頑張って欲しいですねぇ」
「おバカキャラ?」
「ではないんですけど、学校の課題後回しにしがちなんですよね」
「根っからの女優さんだ」

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