君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第140章 140
それもそうだが、の気遣いからの天のお返しだ。
互いに無碍には出来ないだろう。
「千さんいわく、「お前の弟が十二支とか十二単とか十二使徒とかマグネシウム入れろっていうからだ」って…」
「陸ぅぅ~~~」
「マグネシウム…?」
「あれよ、12番めの元素…」
「あ、ちゃんと覚えてたね」
「俺らのTシャツ、爆発するのか…?」
ひとまず、デモが来るまでなるべく大人しく待つべきと判断したTRIGGERチームは、天との体力回復を兼ねて休憩をとることにした。
「とはいえ、みんなが元気になるっていう曲を目指すんなら、かっこよさとかセクシーさは今のところ置いといていいんじゃないかな?って思うんだけど…」
「そうだね。Re:valeやIDOLiSH7のみんなもダンス上手いけど、会場のお客さんや視聴者も一緒にやりやすい振りをサビの部分とかに入れられるといいよね」
「うーん、手だけでできる振付とかかな?」
「例えばだけど、手で表現できるモチーフとかあるといいよね。うさぎとか」
龍之介の言葉に、は一度考え、頭の腕に両手のひらを開いてウサギの耳をかたどる。
「こんな感じ?…ウサギってなんて鳴くの?ぴょん?」
瞬間、TRIGGERの三人は揃って両手で顔を覆い床に突っ伏す。
「出た」
「出たわね…」
「必殺TRIGGER殺し」
「さん…すげぇ…」
モニター越しに戦くモニター室の面々。
こちら側も数人、のあまりの愛らしさに顔を覆っているものがいる状態だ。
「可愛すぎる…」
「久々に…やられた…」
「ウサギはずるい…」
ゆっくりと起き上がり、床に座り込めば揃ってを見る。
「しっかし、どの曲振っても踊れんのすげぇな」
「TRIGGER、アイナナ、Re:valeは結構練習してたからなぁ…」
「女性アイドルとかは?」
「あんまり興味ない。私は可愛く踊りたいんじゃなくて、かっこよく踊りたいの」
それこそ、龍くんみたいにね。
そう言って微笑むの瞳は、出会ったばかりの頃と同じように輝いている。
「女性ダンサーっていう括りで見るなら、はカッコイイダンス踊ってると思うけど」
「龍の振り付けしたデビュー曲のダンスすげぇカッコいいもんな」