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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第15章 15




「あ、ちゃん」
「十さん」
「監督のとこ?」
「はい、私はやっぱり駄目でした」
「俺も」

一緒に行こうか、と誘われ、は頷き龍之介の隣を歩き出す。

「スタッフさんたちは打ち上げで残るのかな?」
「確か、私たちは無理でもお店は予約しちゃおーとか仰っていたような……」
「じゃあ残るかな……俺たちだけで帰る、のかな」
「どう、なんでしょう?マネージャーもいないですしね」
「……レンタカー借りようかな。ちゃん乗ってく?」

龍之介の言葉に、は頬を染めて見上げる。

「……そんな可愛い顔されちゃうと」
「あ、ごめんなさい……嬉しくて…。もし、一緒に帰るスタッフさんがいらっしゃらなかったら、是非」
「うん、安全運転で帰るね」

嬉しそうに微笑むの頭を撫で、龍之介もまた嬉しそうに笑う。やがて監督の部屋につけば、二人並んでチャイムを鳴らす。

「お、主役二人おそろいで」
「お休みのところ申し訳ありません」
「先ほどお誘いいただいた打ち上げの件なんですが、俺たち二人とも事務所からOKでなくて……」
「そっかぁ、まぁ他の共演者抜きで打ち上げっていうのもね、何となく居心地悪くなったら嫌だしね。放送後の本打ち上げの時にまたいろいろ話そう!」

快く受け入れてくれた監督に二人で一礼し、仮打ち上げの様子をうかがう。

「監督やスタッフさんたちは残って打ち上げしていかれるんですか?」
「そのつもりだったんだけど、それだと二人とも帰り大変でしょ?」
「あ、俺レンタカー借りるつもりなので」
「私はついででお荷物と一緒に乗せて頂きます」

微笑むに「荷物なんて思わないよ?!」と龍之介は慌てる。

「あはは、謙遜ですよ、十さん」
「主演女優を荷物扱いはできないよねぇ!でもそれでいいなら、お任せしようかな?」

龍之介の言葉に、監督はスタッフと共に打ち上げを決行する気になったらしい。

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