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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第15章 15




「ちゃんはどんな食べ物が好き?」
「そうですねぇ……私は京都出身なので、パンにはちょっとうるさいんですよ」
「え?パン?」
「はい。あ、京都人は和食ばっか食べてると思ってますね?」

の言葉に、龍之介は実はそう、と頷き、周りのスタッフも京都名物だから、と和食のイメージと言っている。

「観光でくるお客さんはおばんざいとか食べますけど、あ、勿論私達も食べますけど。パンもよく食べるんですよ。実は京都は美味しいパン屋さんがたくさんあるんです」
「へぇ!そうなんだ……じゃあ今度お勧めのパン屋さん教えてよ」
「お任せください!十さん、どんなパンお好きですか?」
「うーん、そうだなぁ……」

等と話していれば、部屋のある階層にたどり着く。
ワンフロア貸し切りらしいが、と龍之介の他にスタッフも同じ階に泊まるため、迂闊にうろうろは出来ないと二人こっそり同じことを思うのであった。

「あ、俺ここだ」
「お疲れ様でした。おやすみなさい、十さん」
「おやすみ、ちゃん。皆さんもおやすみなさい」

先に龍之介が部屋に入り、もスタッフに見送られ部屋に入る。
荷物を置き、ほっと一息つけばスマホが鳴った。

「です!」
『、お疲れ様。そっちはどう?』
「はい、リハーサルも問題なく。ただ一つ問題というか、提案というか……」
『ん?何?』
「明日の本番が終わったら、このままこっちで仮打ち上げをしないかって誘われてまして」

先ほどテーマパークからホテルへ向かうまでバスの中で誘われた。
龍之介もも一度事務所に確認を取ると返事は保留にしたが、やはり万理は唸る。

『うーん、ああ、そうか。明日一応クランクアップだもんね』
「はい、ナレーション撮りとかはあるんですけど、撮影自体は明日で終了なので」
『うーん、てことは明日もそっちに宿泊になるよね?』
「と思います」
『流石に宿泊が伸びるのは事務所としてはOKできないかな……』
「わかりました、監督にそのように伝えておきますね」
『俺の方からも連絡しておくね』
「ありがとうございます」

微笑み頷いて電話を切れば、監督に言ってこないと、と立ち上がり部屋を出る。

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