君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第139章 139
「ぎゃあああああ!!?」
「楽?!!」
「わぁあああ?!!」
「一織!??」
風呂場から聞こえた叫び声に、は風呂場へ走り寄る。
「電気が消えて水が出た!!」
「水も滴るいい男…じゃなくて!髪乾かそ。風邪引いちゃう」
「足掴まれたんですけど?!」
「それは怖すぎる…転ばなかった?」
楽の頭にタオルをかぶせわしゃわしゃとタオルドライしながら一織の様子を見る。
「大丈夫です。けど…八乙女さんの顔が…」
「え?!……照れないでよ。私まで照れるじゃん」
「…見んな」
「…楽、俺が乾かしてあげるよ。、ドライヤー探してきてもらえる?」
「?はーい」
ゴゴゴゴ、と嫉妬の炎が背後に見える気がする龍之介に、楽は思わずたじろぐ。
「いい、自分でや…うわっ?!やめ…いでででで!!頭もげる!!!しょうがねぇだろ人にあんなんされるの床屋くらいなんだから!!」
「八乙女楽、美容院じゃなくて床屋いくのか…?」
「楽は髪を切るところは全部床屋だと思ってる節があるので…」
天の言葉に何となく一同納得したところで、がドライヤーを持ってくる。
「お待たせ!…髪ぐっしゃぐしゃじゃん」
「お前の大好きな龍がこんなんしたんだよ」
「あらあら」
くすくす笑いながらドライヤーのスイッチを入れ、楽の後ろに座る。
「わりと猫っ毛だよねー、楽。ふわっふわ。龍くんもね、結構柔らかいの」
「俺、天パだからな」
「私嫌になるくらいストレートだから、楽の髪質羨ましいよ。よし、OK!っわ、龍くん…どした?寂しい?」
「うん……」
「はいはい。ほら、お楽しみ係頑張れ」
後ろから抱き着いて来る龍之介に、は微笑み腕を伸ばして頭を撫でる。
「「カット」」
「十さん、大型犬みたいですね」
「俺はオオカミが子ウサギにのしかかってるように見えます」
「ごめんなさいね、うちのオオカミが…」
「いえ、うちの子ウサギが煽ってるかもしれません…、むしろすみません…」
モニター室。
マネージャー陣が常に頭を抱えているために、スタッフはこっちを映していくのも面白いんじゃないかと思い始めた。
何にせよカットが多すぎる。