君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第138章 138
そんな会話を交わしながら建物の中に入れば、思ったよりも整った設備の合宿所。
「お、冷蔵庫に酒入ってんぞ!」
「曲作る気ある?」
「乾杯しようぜ!!」
「曲作る気あるーーー?!!」
「かんぱーい!!」
大人組。酒盛り開始。
「…終わった…一織、どうすればいいの?」
「そうですね。酒が入ると大人組は使い物にならない人が多いので、ここは私たち未成年組が…」
「わー!広いね!だるまさんがころんだ出来そう!やろうよ!」
「ちょ、曲作りはー?!!」
誰も聞いちゃいない。
普段あまり寝食を共にしない仲間たちと、日常でない合宿所に来たのだ。
テンションが上がるのは分かる。
しかし、寮生活であるIDOLiSH7のこのテンションの上がりようは何なのだ。
「はあ…仕方ない。私もだるまさんがころんだやる!」
「さん?!あなたまで…!」
「一織もやっちゃお!長いものに巻かれよ!」
何て理屈ですか、とため息をつきつつも、に誘われればやらない理由はない。
未成年組、キャッキャとだるまさんがころんだを興じ始めた。
「っち動いたー!」
「うっそぉ?!完璧なポージングじゃん!」
「動きましたー」
「ちぇー」
環に指摘され、頬を膨らませながら環の横に立って手を繋ぐ。
「龍之介、目が怖ぁーい」
「え?あぁ、すみません」
「どうした?ああ、四葉か」
「すんませんね、十さん。うちのタマ、のこと超好きなんで」
「そうみたいだね」
小さく頷きながら、それでも龍之介は立ち上がる。
どうする?どうなる?
と見守っていれば、と環に近づきの肩をちょいちょいとつつく。
が振り向き、天使のごとき笑みを浮かべた瞬間、龍之介はを抱きしめた。
「リュウ兄貴がっちにセクハラしてるーーー!!」
「あああああ!!!!」
「ここカットお願いしまーーーす!!」
いい加減にしなさいよ?!と姉鷺はスタッフ達と見守る別室で激昂である。
ただでさえ大人組の酒盛り話にカットをかけまくっているのに、これでは本気で尺が足りなくなる。