君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第136章 136
「でも、八乙女さんの片思いっぽい感じしませんでした?さっきもちゃんの頭撫でてる九条さんすっごい優しい顔してたし、付き合ってますよあれ、絶対」
「だったら十さん、さんのマネとも話してたし、親密具合なら十さんの方が高くない?」
やんややんやとあーでもないこーでもないと盛り上がっている。
「…楽、まだ好きなの?」
「妹してだっつってんだろ?!はお前のだって分かってるよ」
「天、最近によく触るよね」
「そんなやらしい言い方しないでよ。頭撫でてるだけでしょ。は妹…というよりは甘やかしたい子猫。懐いてくれるからひたすら可愛がりたいだけ」
軽く頬を膨らませる龍之介に、可愛くないよ、とツッコミ天は苦笑する。
「まぁ、でもちゃんみたいな子だったら惚れるわ」
「俺、マジで好きになりそうだったもんな」
「女の私でも危うかったです…。あの子ホント人の心鷲掴みにしますよね」
「あんな彼女欲しいわー」
まだまだ盛り上がっているスタッフを尻目に、そろそろ行こうかと龍之介は微笑む。
「お、意外に余裕じゃねぇか」
「ううん。そんな事ないよ。でも今俺が何か言ったらに迷惑かけるから」
つまり腹の中では嫉妬の炎が煮えくり返っているのだろう。
からの気持ちを真っすぐ一身に受けているたった一人の癖にワガママである。
「、早く帰ってこないかな…」
「CM撮影って言ってたけど、なんの?」
「えーっと、今日は新発売の目薬だったかな?」
「目ん玉くりくりだから目元のCMは映えるよな」
「昨日目元集中パックしてた。そんな事しなくても可愛いのに」
「スポンサーに万が一にも迷惑を掛けない様にって感じかな。立派な心掛けだね」
天の言葉にそうだね、と頷いてて三人は姉鷺の待つ車に乗り込む。
「ちゃん、さっきそこでべしゃーって転んでたわよ」
「え?!!」
「あんたが心配するかと思って様子見てきたけど、怪我はなさそうでげらげら笑いながら次の仕事いったわよ」
「?転んだの?大丈夫?」
「速攻で電話かけてんじゃねぇよ」
即電話を掛ける龍之介に、揃って苦笑。
だが、確かにのけがの具合は気になる。