君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第133章 133
「カーーット!!これにて撮影終了!一日お疲れ様でした!」
「お疲れ様でしたー!」
「お疲れ様でした!ありがとうございました!」
カットと同時に唇を離し、同時に互いの唇を拭えば、と龍之介はスタッフに向かい頭を下げる。
「十さん、お疲れ様でした」
「ちゃんもお疲れ!すっごく楽しかった!」
「私も!今度はTRIGGERの皆さんとIDOLiSH7のみんなと来たいですね!」
お互いに一礼しハイタッチ。
「まぁ、TRIGGERは揃ってるけどね。天、楽。気付いてたよ」
「え?!」
がくすくす笑いながら視線を向けた先に龍之介も視線を向ければ、よくそれでバレなかったね。と言いたくなるような変装をしていた天と楽の姿。
撤収作業をしていたスタッフもようやく気付いたのか、周りが一瞬ざわついた。
「気づいてないふりしてたのかよ」
「さすが女優。僕たち気付かれてないと思ってた」
「いや、流石にわかるよ。オーラバンバン出てたじゃん」
「俺、全然気づかなかった…」
龍之介の言葉に、そりゃ龍はな、と楽に頷かれる。
「仕事って頭にはあったんだろうけど、ずっとしか見てなかったでしょ」
「…う」
「だよな。とそれ以外って認識しかしてなかったろ」
「一応、ちゃんとが怪我しない様にとかが人にぶつからない様にとか、周り見てたつもりだけど…」
「基準じゃねぇか」
そんな龍之介に苦笑。
嬉しい事だが、ある意味危ない。
「龍くん」
「ん?」
「自分の身もちゃんと注意してね」
「うん、ごめん。ありがとう」
頷きながらの頭を撫でる。
抱き締めてしまいたいが、まだ一般客もスタッフもいる。
「でも今日はホント楽しかったー!今度はみんなで来ようね」
「そうだな」
「うん」
「、最後写真撮らない?」
「写真?」
龍之介の言葉にはそちらを見上げる。
二人で写っている写真は、仕事の上でのものばかりである。
ここへ来たのは仕事だが、今は撮影が終わっている。
ならば、プライベートとして撮ってもいいだろうか?
「撮りたい!」
「撮ってやろうか?」
「ありがとう、楽。でもまずは…」
「ん」