君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第132章 132
「っん…りゅ…」
「ずっと、こうしたかった」
「私、も…ンぁ」
扉を閉めるなり、を抱きしめ口付ける。
軽く啄むように何度も唇を重ね、離れている箇所など認めないほどに密着して抱き合う。
「ずっと可愛いから、我慢するの大変だよ…」
「龍くんだってずっとカッコいいじゃん。ずっとドキドキして、早く一杯くっ付きたいって思ってた…だから今、ちょー幸せっ」
「…」
「あーんーたーたーちーぃ!!」
「うわぁ?!」
「きゃあ?!!あ、姉鷺さ…」
完全に二人の世界に入っていたと龍之介の後ろから、地の底から響くような声が聞こえる。
驚き振り向けば、わなわなと震える姉鷺の姿。
「鍵しなさいよ!ノックの音反応しなさいよ!」
「すみませんっ!」
「ノックの音…した?」
「全然聞こえなかった…」
お互いに夢中になり過ぎていたらしい。
さすがに、余りにも危険だと二人で猛反省である。
もう少し気を引き締めなければ。
「気を付けます」
「同じく。気を付けます!」
「本当に頼むわよ。で、さっきプロデューサーに、フリで良いからキスシーン入れていいかって聞かれたんだけど」
「むしろ入れてください」
即答の龍之介に、姉鷺は思わず苦笑。
テレビから離れれば純朴な好青年なくせに、にだけは世間で言われているエロエロビーストが顕現しているように思える。
「フリよ、フリ。本人たちが良ければOKとは伝えてあるけど…」
「わかりました」
「どうなるかは、流れだね」
の言葉にそうだね、と頷き、そろそろ休憩が終わるころだと時計を見る。
「軽くメイク直そっかな」
「私がやるわ、ちゃん」
「え、めっちゃ嬉しい…ありがとうございます、姉鷺さん!」
姉鷺が出来ることは、崩れた部分を軽く押さえ、リップを塗り直す程度ではあるが、姉鷺に懐ききっているは嬉しそうにメイク道具を彼女に手渡す。
「お肌綺麗だから殆ど崩れなしね」
「姉鷺さんにオススメしてもらった乳液、めっちゃいいです!」
「あら良かった。若いからもうちょっと軽いのでも良いかもしれないけど…今から良いの使っとけば、お肌の将来安泰よ」
「肝に銘じます!」
「ん。はい、終わり」
「んふー、ありがとうございました!」
「もー、可愛んだから。…龍、妬かないで」