君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第131章 131
「顔見ながら食べるのも、良いよね」
「うん。まだ今のままでいいけど…いつか向かい合わせになる食卓もいいね」
にこりと微笑みながら、二人で水を飲む。
「えーと、今日はランチコースの紹介お願いするね」
「はい」
「一応お酒出せるけど、十くんどうする?」
「俺は帰り、運転有るので…」
「ん、分かった。さんは…」
「未成年です…」
「そうだった。大人っぽいからつい忘れちゃうなぁ」
こりゃいかんいかんと笑いながら去って行くプロデューサーを笑顔で見送った後、は頭を抱える。
「?」
「最近全然実年齢に見られないぃぃ」
「大人っぽいからね、」
「…こないだ、14歳?って聞かれた」
「幅広いね」
女優としては年齢不詳の方が役に幅が出ていいのかもしれないが、年頃の乙女としては実年齢より上に見られるのも下に見られるのも何となく釈然としない。
とはいえ、龍之介が思う所は一つだ。
「大人っぽいも、幼く見えるも、俺には全部愛しいよ」
「龍くん…ちゅーしたい」
「どっかないかな、出来るとこ」
くすくす笑いながら軽くの頭を撫でる。
ハグはなんとなく許されるようになったが、キスの許可はまだ姉鷺から出ていない。
当たり前である。
デートという名目だが、これは仕事だ。
「そろそろスタートするよー」
「はーい!」
「じゃあ、よーい、スタート!」
スタートがかかり、二人で辺りを見回す。
『うさみみランドって、可愛いお店ばっかかと思ったらこんなにおしゃれな所もあるんだねー』
『ランド内でコース料理が味わえる二店舗のうちの一つなんだって。こっちの方がちょっとカジュアルで入りやすいみたいだね』
『お待たせいたしました。前菜とスープでございます』
『ありがとうございます!美味しそう!』
『あ、。いくら乗ってるよ、食べれる?』
『た、食べれるもん!』
『うそ。この間食べてぐにぃって顔してたじゃん。可愛かったけど』
『むん』
くすくす笑いながら、食べてあげる、と微笑めばはスプーンでいくらを掬い龍之介に差し出す。
『あーん』
『ん、あーん』
「姉鷺さん、あの二人本当に付き合ってないんですか?」
「不思議ですよねー。まぁ、互いの事務所が許しませんから」