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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第14章 14




「行っちゃいましたね」
「一人残らず行っちゃったね」

顔を見合わせくすくす笑い、ふと目が合えば龍之介の手が頬に触れた。

「何でちゃんに堪え性ないのかな、俺」
「……その答えは、明日お伝えします」
「うん、早く聞きたい。…聞くまでお預け?」
「おあず…」
「聞かない」
「んっ」

出会うまで、彼はTRIGGERのセクシー担当、エロエロビーストの名の通り、肉食系なのだと思っていた。
けれど、日々を共に過ごすうちに、純粋で割と奥手なのだと気付いた。
なのに、ここ数日の彼はに対してとても積極的である。
今も、の答えを聞き切る前に言葉を遮り口付けた。

「十さ…」
「、して?」

何のスイッチが入ったのか、を呼び捨てにし、口付けを強請る。
それをが拒むはずがない。

「龍之介さん…」
「…」

何度口付けても、啄むような口付けしかしないところが、龍之介の今のぎりぎりの節度なのだろう。
好きだからどうしても口付けたいが、と思いを通わせるその時まで、先に進まないようにこらえているのだ。
それがにもわかるから、この口付けを拒むことはしない。
だって、自分も望んでいるから。

「…スタッフさんの声する」
「ね、今日はここまでで我慢だね」
「ん…」
「そんな残念そうな顔したら、俺我慢できなくなっちゃうよ」
「っ、す、すみません!」

慌てるにくすりと笑い、龍之介はの頭を撫でる。

「十さん!さん!許可取れたんで、車移って移動お願いできますかー?」

スタッフの呼び声に声をそろえて返事し、台本を持ってロケバスを降りる二人であった。

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