君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第14章 14
「私も、番宣に備えて明日の夜から明後日までオフです。だから…いつでも大丈夫です」
「……じゃあ明日。東京戻ったらすぐ、良い?」
「っはい」
頷くを見て、龍之介はそっとの頬を撫でる。
紅くなったの頬を再度撫で、龍之介は触れていたの手を軽く持ち上げその手に口付けた。
「……十さん」
「気が早いね、俺。ごめんね」
「いえ。嬉しい、から…」
そんなことを言われたらもっとしたくなってしまうが、ここはロケバスの中。
これ以上は絶対無理である。
「明日いっぱいは、まじめにやりましょう」
「ん、そうだね」
くすくす笑いながら微笑み、二人で台本を取り出す。
「怪しいっすよね、あの二人」
「まぁ、仲はいいよね、二人」
そこそこ大きいバスなのに、出演者は少ない。
だから席など他に沢山ある中、わざわざ隣同士に座るところに違和感を覚えたらしい。
「台本読みしたいからって言ってたから、それも有るかもしれないけど…」
「台本大分変りましたからね。最後のシーン」
ちらりとスタッフが視線を向ければ、台本合わせをしている様子の二人。
ところどころ笑い声が漏れ聞こえてくるが、それ以外は真剣に台本を読み込んでいるように見える。
「……真面目なんすかね」
「二人ともね」
一旦沸いた疑惑は中々ぬぐい切れないが、二人がこれまで献身的にこのドラマの撮影に取り組んでいたのもまた事実。
これ以上の詮索はやめようという事で落ち着いた。
「そろそろ到着です!まだ一般のお客さん出切ってないらしいので、少し待機しててください!」
「はい!」
「わかりました!」
スタッフは早めに現場を見て準備をしたいらしく、いそいそと出て行ってしまう。
そして残された二人。