君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第129章 129
「初めてなのに裏側を見てしまった!」
「裏側なのに、夢が壊れない様にしてあってすごいよね」
それでもなるべく裏側を見ないように目を隠しがちなの手を取り繋ぎながら歩く龍之介に、注意したいが他事務所から預かった大事な女優に怪我はさせられないと、寛容的に苦笑しつつ姉鷺はついていく。
やがて番組スタッフが控えている部屋へと案内された。
「早速手繋いできたの?らっぶらぶだね!」
「ちゃん、裏側見たくない!って目隠ししようとするんで」
くすくす笑いながら目を隠しているの手をそっと外し、ほら、着替えよ?と微笑む。
「はーい」
「はい、ちゃんこっちー」
「十さん、こちらお願いします」
「三田さん!おはようございます!」
「おはよ。ちゃちゃっと着替えてメイクするよー…今日もお肌つやつや」
「十さんとのお仕事の日は張り切ってスキンケア頑張ってしまう」
くすくす笑いながら渡されるままに服を着替える。
「おー、かんわいぃ」
ミニ丈のオーバーオールに、白の緩めのTシャツ、靴下、少々底が高くなっているスポーツサンダルといった出で立ち。
「…また足細くなってない?」
「ジム効果ばっちり出てますね!」
「おかげでミニコーデが映える映える。はい、ヘアメイクするよー」
「はーい」
髪は巻いて後れ毛を出しつつポニーテール。
メイクも屋外の撮影が多いため、ナチュラルに近いものとなっていた。
「よっし、完成」
「いいわ…パークデートコーデのお手本みたいになったわ…」
「このコーデも爆売れっすね」
そんなスタイリスト達の言葉にくすくす笑いながら、は衝立の向こうに声をかける。
「十さん、出来たよ」
「俺も出来たよ」
二人でせーの、で向かい合えばいつものアレである。
「かっこいい…最高…」
「も可愛い…ホントいつも可愛いね」
「てか、これはカップルコーデというやつですか?」
龍之介の衣装も丈は長いが黒のオーバーオールに緩めの白Tシャツ。足元は黒いスニーカーであった。
「そりゃ今日はうさみみランドデートスポット紹介ロケだから」
「なるほど。衣装買い取ります!」
「俺も買取で」
ぴっと手を上げるに会わせて龍之介も軽く手を挙げ、おぉ、とスタッフはざわめく。
両片思い効果はでかい。