君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第129章 129
「そっか…ドラマはもう脱がない?」
「うん。しばらく脱ぐ仕事はないと思うよ」
「じゃあ…」
「あ、こら」
寝巻のボタンを二つほど外され、ブラジャーの際に口付けられる。
「龍くん、も…んっ」
「ついた」
「…マーキングみたい」
「…暫く毎回つけようかな」
口調は冗談めかしているが、目はマジだ。
やはり先日のことが心に引っかかっている部分はあるのだろう。
そんな龍之介に苦笑しながら、は焼きあがったフライパンの火を止め、龍之介に口付ける。
「着けても良いけど、下着で隠れるとこにしてね?」
「いいの?」
「…つけて欲しい」
「…朝から可愛いの暴力」
「最近、龍くんも私に口調似てきてない?」
くすくす笑いながら龍之介を見上げ、朝ごはん食べよ、と微笑む。
今日は龍之介がテーブルのセッティングをし、並んで朝食を摂る。
もう一度歯磨きをしてから着替えてエントランスへ降りれば、丁度姉鷺の車が滑り込んできた。
「姉鷺さん、おはようございます!私も一緒に乗せて頂いてありがとうございます!」
「いいのよ、そんな気にしなくて。さ、乗ってちょうだい」
「、俺が開けるよ。お願いします、姉鷺さん」
車のドアを開け、を先に座らせればその隣に龍之介も腰掛ける。
の手を取り繋げば、にこりと微笑んだ。
「龍、手の前にシートベルトしてちょうだい」
「…あ。すみません」
「ちゃん前にするとあんたって子はもう」
苦笑しながら龍之介がシートベルトを装着したことを確認すれば、車が出発する。
「さて、今日はあんた達が堂々といちゃつける仕事なわけだけど…。とはいえ、二人は今、両片思いって設定なんだから、いちゃつき過ぎはダメよ」
「はい。程ほどに超いちゃつきます!」
「超付けちゃダメだっつってんの!」
の頷きに姉鷺のツッコミである。
早朝なこともあり、車は順調に進み目的地であるうさみみランドへ無事到着。
途端、が車内から目を輝かせる。
「わーー!!楽しそう!」
「あら、初めて?」
「はい!龍くんと来られたの嬉しいです!」
「俺も嬉しいよ」
くすくす笑いながら、今にでもはしゃぎだしそうなを制しつつ車を降り、パークスタッフの案内で控室へ向かう。