君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第128章 128
更にデート風で撮影したいとのことなので、二人はカップルになりきってパークを紹介していくそうだ。
「じゃあ、今日の撮影気合入ってるね!」
「かなり!頑張ります!」
そんな気合十分のが挑んだ撮影はとんとん拍子に進んでいく。
楽もまた、普段と変わらぬ実力でとともにほとんどNGなしで撮影を終えたのであった。
「大分巻いたね」
「だな。迎え、大丈夫か?」
「うん。紡ちゃんが来てくれるみたい」
「そうか…」
「楽ってさ、紡ちゃんの事好きじゃなかった?」
「…は?!」
「あれ、違った?」
楽も姉鷺が迎えに来るらしく、駐車場付近で並んで待つ。
「んー、気になった時期もあった。って感じだな」
「ほぅ」
「紡は仕事に突き進んでるのが分かったし、俺もTRIGGERとして天と龍と挑み続けたい。だから…もし、縁があったら…とは思っ…何言わせんだよ!」
「勝手に語り始めたの楽」
の言葉に一瞬おいて、確かに。と頷いてしまう。
相槌しか打たれていないのだから、別に語る必要はなかったかもしれない。
そんなことを思っていれば、まず小鳥遊事務所の車がやって来た。
「お、迎え来たな」
「うん。じゃあ楽、次の撮影は…三日後だね」
「だな」
「ちゃん、お待たせしました。楽さん、お疲れ様です。がお世話になっています」
車から降りてきた紡は、を見て微笑み、楽に一礼し再度微笑む。
「俺の方が結構世話になってるよ。つむ…小鳥遊さんは?元気にしてるか?」
「はい、お陰様で」
「そっか。ならよかっ…何ニヤニヤしてんだよ」
「いでっ」
紡とのやり取りをにやにやしながら見てくるに、楽は軽くの頭を小突く。
「だってー」
「ったく、ほら、明日早いっつってたろ。帰って休め」
「はーい。じゃあ楽、またね!」
「おう、またな。龍によろしくな」
「…仲直りした?」
「そもそも喧嘩になってねぇ」
「そっか。良かった。伝えとくね」
紡に促される形で車に乗り込み、車内から手を振る。
出発する車を見送りながら、楽は苦笑した。
「1ミリも変わらないいつも通りだったな」
そんなの心遣いに感謝し、次いでやって来た姉鷺の車に乗り込めば、天と龍之介も乗っていた。