君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第127章 127
「ありゃ、化粧水無くなっちゃった。龍くーん、化粧水借りていいー?」
「うん、いいよー。って、の肌に合う?大丈夫?」
「大丈夫ー」
パタパタと駆け寄ってくる龍之介に口付け、パシャパシャと化粧水を塗る。
「龍くんとお揃い。嬉しい」
「…可愛すぎる…もぉー」
今度はが龍之介に後ろから抱き着かれ、くすくす笑いながら見上げて口付けた。
「今、何作ってくれてたの?」
「フレンチトーストと、野菜のチーズ焼きと、オムレツ…ああ!卵固まっちゃう!」
そう言いながらに口付けを返し、龍之介はキッチンへと戻って行く。
もスキンケアを手早く終えてキッチンへ戻れば、ギリギリセーフだったよ、とオムレツを皿の上でふるふると揺らす龍之介の姿。
「さすが龍くんだね」
「あとはスープがもう少しだからね」
呟きながら皿に盛り付ける龍之介を手伝い、テーブルをセッティングする。
「いつも思うけど、外の景色見ながらご飯食べれるの良いよね」
窓に向いて設置されたテーブルには椅子が二脚。
が越してくるまでは使われていない片方の椅子にはなぜかシーサーが置かれていた。
「うん。と並んで食べると更に景色が綺麗に感じる」
「へへ、嬉しいね」
呟きながら、と龍之介は並んで座り、頂きますと手を合わせる。
「ん、今日も美味しい…幸せ…寝巻でこんな贅沢な朝ごはん…」
「がご飯食べてるときの幸せそうな顔、俺すごく好き」
「龍くんにしか出せないよー、これは」
微笑み合いながら食事を取り、食後は二人で片付け。
も龍之介も朝から仕事の為、二人で寝室へと戻る。
「の服がだんだんこっちに来てない?」
「…気のせい」
絶対に気のせいではない。
元々の服は少ないため、龍之介のクローゼットを圧迫するほどのものでは無いが、に充てられた部屋からはの服が減り、龍之介の部屋の服の量が増えている。
「着替えの時も離れたくないもん」
「甘えん坊さん。最近自分の部屋入った?」
「勿論入ったよ。…掃除で」
この家で、究極の甘えん坊が爆誕していたことを、この日この時、龍之介は知った。