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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第125章 125




ソファから降り、の腕を軽く引いて起き上がらせる。

「楽…やったね…?」
「いや、すまん…」

舌が絡むキスは台本には無かった。
が楽を見上げれば、苦笑交じりに謝られる。

「でも、そっちの方が自然だよね」
「俺もそう思ったんだよ。悪いな、前もって伝えなくて」
「ううん、大丈夫。じゃあ…本番もそっちにしよ」

の提案に多少驚きつつ頷く。
彼女はやはりプロだ。
作品が良くなるのならば、どんな演技もこなすつもりなのだろう。

「じゃあ、このまま本番行っていいかな?」
「大丈夫です」
「俺も大丈夫です」

ならばと二人が位置につけば、一呼吸おいてスタートがかかる。

~・ドラマパート・~

[っん、先生…ちゅ、ん…]
[はっ、柚葉…]

リハ通りの動きだが、キスシーンが変わり二人の舌が絡む。

~・ドラマパート終・~

「ディープ…」
「マジかよ…17だよな?さん…。体当たりすぎるだろ…」

離れた場所でモニターチェックをしているスタッフたちは、二人の演技に息を呑む。
やがてOKがかかると、は照れ臭そうに顔を手のひらで覆った。

「…?」
「OKですか?!」

やりすぎたか、と楽が声をかければ、バッと起き上がり監督に問いかける。

「完璧!OK!!」
「良かったー!顔面美し過ぎてヤバかったー!!八乙女楽やばーい!!心臓爆ぜるかと思った!」
「心臓はぜそうなやつの演技じゃなかったろ、おい」
「カメラ回ってる間は意地でも本音を顔に出さないって決めてるから」

そう言って微笑むは何とも愛らしい。
感心していれば、おし、脱ぐぞー!と勇ましい一言。
事後のシーンまで終わらせて、今日の予定は終了である。

「ほい、ちゃちゃッとメイク変えるよー」
「はーい」
「うーごーくーなー」
「しゅみまへん……」

メイクを直されながら服を脱ぐに苦笑し、メイク担当が、ぐい、と両頬を抑える。

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