君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第124章 124
「抱かれたい男ナンバーワンにこれから抱かれるわけだ?」
「ふ、フリだけだから!」
くすくす笑いながら控室に入れば、軽くメイクを直して楽は自らの車、はロケバスに乗り込む。
「お疲れ、ちゃん」
「はいー…すっごい緊張した…」
「すっごく自然体でお似合いだったよ」
「よし、最高視聴率も夢じゃないですね」
他の準備があるというスタイリストを見送り、はスマホを開く。
龍之介からのメッセージは、朝の言ってきます、から届いていない。
の集中力を切らさない様に気を使ってくれているのだろう。
「龍くん…」
「呼んだ?」
「へ…?へ?え!?なんで?!」
「ちょっと時間あって通りがかったから」
差し入れ持ってきたよ。
と微笑む龍之介に、は抱き着きたいけど人目が気になって抱き着けず、わきわきと両手を握っては開いていた。
そんなの心を読んだ龍之介は、今は誰も来ないから、と両腕を広げる。
「おいで、」
「~~~っ龍くん!大好き!」
「俺も大好き。、キスシーン撮った?」
「報告通り。移動後はベッドインシーン」
「ん、わかった。…ごめん、ちょっと乱す」
「へ?んっ…ん、ぁ」
何を?と聞く間もなく唇がふさがれ、舌が割り込んでくる。
くちゅりと自らも舌を絡めれば、龍之介はの腰を引き寄せた。
「っは…ぁ…」
「…上書き…もうしちゃった」
「ふふ、帰ったらもっとしてね?」
「何その可愛いの…今もっとしたくなるじゃないか」
「して欲しいけど、龍くんの時間がそろそろヤバいのも私知ってる」
呟きながらスマホの画面を見せれば、そろそろ移動しないとまずい時間となっていた。
「あぁ…ホントだ。大人しく向かいます」
「うん、私も残り頑張ってくる。だから」
夜はいっぱいしてね?
そう耳打ちすれば、龍之介は耳を押さえて真っ赤な顔でを見た。
「…」
「何でそんな可愛いのいっつもいっつも」
「可愛いのはだよ…もぉ…」
と言っている間にも時間は過ぎていく。
そろそろ行かなきゃ、と再度に軽く口付け、これ差し入れね、と小さな焼き菓子を持たされる。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい、気を付けてね」