君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第124章 124
[コンタクト調子悪くてなー]
[メガネも似合うね。でもカッコいいからあんまりしないで欲しい]
呟きながら立ち上がり、高宮の後ろに立てば手を回しそっとメガネを外す。
[こーら]
[あとどれくらい?]
[あと10分もありゃ終わる。待ってろ]
[はぁい。宿題やってる]
呟きながら開いているデスクの椅子に腰かけ、ノートを開く。
暫く集中していれば、椅子がギッとなる音に視線を向ける。
高宮がぐっと伸びをしており、仕事が終わったのだと気付く。
[お疲れ様、先生]
[待たせたな。悪い]
高宮が立ち上がり、こちらへ向かってきた姿を見てノートを閉じ、彼を見上げた。
[つっかれた]
[ふふ、お疲れ様]
[ちょっと癒しくれ]
[癒し?どんな…ん。こんなとこで…]
デスクチェアごと振り返る形で高宮を見上げれば、後ろの机に手を突かれそのまま口付けられる。
[誰もいねぇだろ]
[油断しちゃダメ…ん、もぉ…]
二度目の口付けは、眼鏡をはずしながら顎に指をかけられ、軽く啄まれる。
[せんせ…ん、]
[腹減った…晩飯作ってくんね?]
[…ん、いいよ]
[……]
[せんせ?]
[…今夜、泊まってく?]
[え……?]
~・ドラマパート終・~
「カーット!!一発OK!」
柚葉が高宮の言葉に目を見開いたところでカットがかかる。
「ありがとうございます!良かったね、楽!一発おっけ…どした?」
「……いや…お前、まじかわいい…」
「へ?」
「今俺、龍が心の底から羨ましい」
「は?」
これはもしかして、まずいのか?ヤバいのか?
ぐるぐると思考を巡らせ、はブルブルと頭を振る。
「楽…気のせい。それは気のせい!プロなんだから場の雰囲気に呑まれちゃダメだよ」
「…だよなぁ、そうだよな」
の言葉にこくりと頷けば、楽はを見て、彼女の唇を軽く拭う。
「ん…っ?」
「リップ、滲んでる」
「…てことは、楽もほら、着いちゃってる」
くすくす笑いながらハンカチを取り出し、楽の唇を軽く拭う。
「あとでメイクさんにちゃんと落としてもらってね」
「…おう」
「次は…お泊りシーンかぁ…一日緊張しっぱなしだなぁ、今日は」
「ほんとに緊張してんのか?」
「してるよぉ!抱かれたい男ナンバーワンが相手何だからっ!」
当たり前じゃん!と返され、楽は小さく笑う。