君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第124章 124
「本番OK!次移動しまーす!」
「、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。楽優しいもん」
度重なるキスシーンをリハと本番どちらもほぼ一発OKが出ている中、楽はを気遣う。
そんな中、の言葉にうっかり照れてしまった。
「…なら、良いけどよ」
呟けば移動の為、並んで歩き出す。
「あ、そういえばこないだ美味しいお蕎麦屋さん見つけたよ!楽もう知ってるとこかな?」
「ん?どこだ?」
「港区のー…」
「へぇ、知らねぇとこだ。今度行ってみるな!教えてくれてサンキュ」
「どういたしまして」
和気藹々とした雰囲気は、敢えて楽が意識しすぎないようにしているから。
意識して気まずくなったら撮影に支障が出てしまう。
もそれが分かっているからこそ、彼女自身も意識しない様に和やかに答える。
やがて移動し職員室へ。
「職員室でキス…すっごいイケない事してるみたい」
「そもそも教師と付き合うのがよろしくはないんだろ。未成年相手だし」
「それ私に言うー?」
「ん?…あ、そうだな。お前まだ17か。なんか龍の横にいるの見てっから未成年な感じあんましなかったな」
「あ、それはあるか」
くすくす笑いながら頷き、は楽と共に所定の位置につく。
遠目に、職員が見学しているのが見えた。
「結局さ、本番でも見学してたし、一目は避けられないね」
「まぁ、しょうがねぇな」
「見学者の静かさによるんだけど…二人ともリハいる?」
突然の監督の言葉に、と楽は顔を見合わせてから監督を見る。
「二人ともリハも本番もほぼ一発OKだから、本番一発撮りしても良いかなって思ったんだけど」
「多分私はいけますけど…」
「俺も大丈夫です。NGなるべく出さないようにします」
「お、じゃあやってみよう!リハなし!本番行くよー!」
「それでは本番始めますので、見学の方は音を出さないようお願いいたします!本番!よー、い、スタート!」
カチンコが鳴らされ、こと柚葉はデスクで仕事をする楽こと高宮に近づく。
~・ドラマパート・~
[先生、プリント持ってきました]
[ん、サンキュ。…柚葉]
[っ、突然の呼び捨て心臓に悪い…]
[今誰もいねぇだろ。送ってくから、ちょっとそこで待ってろ]
[うん。ありがとうございます…。先生、メガネ珍しい]