君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第123章 123
「十くんは?」
「あんまり接点のない人が相手だったらそこまで気にしなかったんでしょうけど、相手が楽なので…切なそうでした。秘密ですけど、しょぼんとしてるの超かわいいです。めっちゃ甘やかしたくなる…」
の耽溺発言に、苦笑しながら万理は頷き、最初のロケ地である高校へとたどり着く。
今日は土曜日の為、校内での撮影を撮れるだけ撮ってしまおうという算段だ。
「、今日はMEZZOの方もあるから俺行っちゃうけど、迎えは来れるから」
「了解です。ありがとうございました!万理さんも気を付けて!」
「うん、も頑張ってね。またこまめに連絡するから」
「はい!」
万理の車を見送り、眼鏡をかけてからいざ控え室!と歩き出せば、後ろからぽふりと頭を叩かれる。
「、おはよ」
「楽!おはよーっ。あれ?楽も姉鷺さんいないの?」
「天と龍が移動多いんだと。久しぶりに自分の車動かしたぜ」
そんな会話を交わしながら校門をくぐり、職員用玄関へ向かう。
学校側からの厚意で、会議室などを控室として貸してもらえることになったらしい。
「おはようございます!宜しくお願いします!」
「おはようございます!」
「お、揃って登場だね。早速着替えとメイクお願いします。夕方までに今日は撮りまくるよー!」
朝から元気な監督に、揃ってはい!と返事をし、まず着替えである。
会議室をパーテーションで区切って、と楽の楽屋となっている様だ。
「キスシーンてどこで撮るんだった?」
「学校では図書室と教室と職員室と…?アパート移ってからもあるんだよね」
「それ、ベッドシーンと別か?」
「別だね」
「龍にぶん殴られて天に無言で責め立てられそうだな」
何やかやとキスシーンが増え、その度に龍之介に報告し、その度に切なげな顔をされ、かわいそ可愛いと激萌えしていたは、楽のその言葉に苦笑する。
可愛いと喜んですみませんでした。
「天も龍くんも、そんな心狭くないよ」
「…だといいんだけどな」
着替えとメイクをほぼ同時に終え、二人はスタッフの案内でまず図書室へ向かう。
「だ…!」
「え!八乙女楽…!」
「ちょっと学校一部借りるな」
「お邪魔してまーす」
すれ違う生徒たちに軽く手を振りながら図書室へ入る。