君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第123章 123
ドラマの撮影も順調に進み、本日はキスシーン&ベッドインのシーン撮影日である。
「龍くん」
「ん。頑張っておいで」
「うん。帰り、また連絡するね」
正直、龍之介以外とのキスシーンは初めてなので、も緊張していることはしている。
だからこそ、龍之介はが余り自分のことを気にしないように普段通り接していた。
「」
「ん?…んっ、ぁ」
今日はの方が先に出るために、龍之介が見送りだ。
靴を履いて龍之介を見上げれば、軽く抱き上げられ口付けられる。
「っふ…りゅ、んぁ」
「…可愛い。ごめん、出がけに…リップ落ちちゃったね」
「ん…へーき。それよりもっかいして」
軽く唇を拭う龍之介の指にピクリと反応し、は自ら背伸びし龍之介の首に腕を回して引き寄せて口付ける。
「は、ん…りゅ…」
「…ん…」
の腰を抱き寄せ、後頭部に手を回して口付けを送り、互いの唾液を交換する。
「ぁ…ふぁ…」
「ん…楽にそんな顔見せないで」
「龍くんのキス以外に感じることなんかないよ」
互いの口の端を拭い合い、龍之介は最後に軽く口付ける。
「ん、行ってくるね?」
「うん、気を付けてね。行ってらっしゃい」
微笑みからもまた軽く口付け、手を振り合っては仕事へと出かけていった。
「…俺、楽に会ったときいつも通りできるかな」
苦笑交じりに呟きながら、龍之介は残りの家事のために部屋へと戻る。
一方は迎えに来ていた万理の車に乗り込み、リップを塗り直していた。
「珍しいね、ここでメイクするなんて。寝坊した?」
「ばっちり時間通りにしたつもりだったのに、出がけに塗り忘れてること気付いてたんですよー。時間無いから車でー!って来ました」
「そっか。さて、今日は例のシーンだけど…大丈夫?」
「はい。流れも頭入ってますし、キスシーンは初めてじゃないし、ベッドシーンも導入だけですし、大丈夫です」
こくりと頷き微笑みながら答えるに、頼もしいね、と万理もまた頷く。