君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第122章 122
「さん羨ましいです!」
「え?」
「TRIGGERのクールな三人にあんなに可愛がられてっ!」
「クール…八乙女事務所さんが私のキャラを受け入れてくださったのが大きいですね」
「?売り出しの戦略もあったってことですか?」
「かと思います」
余り面識のない女性スタッフに羨ましがられ、は軽く首を傾げながら答える。
龍之介は当然、天と楽もプライベートでも仲はいいが、余りそれを公言する気はには無かった。
人の嫉妬は恐ろしいものだと、良く分かっている。
無駄に敵を増やす必要はない。
「八乙女くんの方の準備終わったら、リハ始めます!」
「はーい!あ、そういえばこのアパートの他に学校貸し切っての撮影もあるんですよね」
「うん、あるある。主に土日だけど部活動に来てる生徒もいるだろうから、迷惑かけないようにしないとね」
監督の言葉に頷いていれば、とはいえなぁ、と苦笑される。
「?」
「八乙女くんとちゃんだもんなぁ、騒がれちゃうのは間違いないよなぁ…」
「そうですねぇ、TRIGGERの八乙女楽がいる!ってなったら…私も色々ほっぽり出して見に行きますね」
「自分を棚に上げないの。ちゃんの人気も凄まじいんだからさぁ」
「身に余る光栄すぎて実感わかないんですよ」
そんな話をしていれば、楽の準備も終わったらしい。
控室に入って来た楽には近付く。
「先生だ!」
「教師役だからな」
「かーっこいいね」
「お前は可愛い」
「ありがとー」
「じゃあ、早速リハ始めよっか!」
監督の声掛けに、まずがスタジオ代わりの部屋に上がる。
しっかりと作りこまれた部屋は、とても廃アパートとは思えない。
「朝の支度終わって、登校するシーンから!」
「はい!宜しくお願いします!」
が洗面台の前に立てば、スタートがかかる。
~・ドラマパート・~
[んー…ん。良い感じ]
唇にリップを塗り、満足げに微笑み洗面所を出れば、締まったままの襖に視線を向ける。
[…行ってきます]
襖に向かい小さくため息をついてから小さく呟き、そのまま部屋を出る。
~・ドラマパート終・~
「一旦カットー!場面変えて続きリハ入ります!八乙女くんも位置付いてー!」
「はい!」
「じゃあ、リハスタート!」