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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第120章 120




「俺にも、どうなの?あの二人、とかって聞いて来る人もいるな」
「あー、その辺のみんなへの迷惑考えてなかった…ごめんね」
「いいってそんなん。仲は良いんですけど付き合ってはなさそうっすね~って適当にごまかしてるし」
「ありがとう、大和さん」

微笑み食器を洗えば、手を拭いて時計を見る。

「おや、そろそろお迎えの時間かしらん」

呟きながらスマホを手に取れば、連絡はまだ来ていない様子である。

「まだ来ねぇ?」
「うーん、どうだろう?ここに居るの分かってるから、直接チャイム鳴らす…」

何といういいタイミングなのか、がそう言いかけた瞬間チャイムが鳴る。

『こんばんは、十龍之介です』
「フルネームで名乗っちゃったよ」
「危機感ゼロですね」
「龍くん可愛すぎるぅ」
「俺出るな。が出たら玄関先で襲いそう」

そんな大和の言葉に、身に覚えがありすぎるは苦笑しつつ、彼を見送る。

「十さん、お疲れ様です」
「大和くん、お疲れ様。いる?」
「はい、呼びます?上がります?」
「じゃあ、ちょっとお邪魔しようかな」

にこりと微笑む龍之介は夜でも爽やかである。
大和に促され先に階段を上がれば、とてつもなく愛らしい天使が駆け寄って来た。

「龍くん!お帰りなさーいっ」

満面の笑みで龍之介に抱き着くその語尾にはハートがこれでもかとついていそうである。
もしエフェクトが見える世界ならば、ハートとキラキラが乱舞してるだろうことがその様子からよくわかる。

「見える…ハートが飛び散ってんのが見える」
「あんなキラッキラな笑顔、撮影中でも中々見ねぇよな」
「十さんと居るちゃんが一番可愛いよね!」

そんな陸の無邪気な一言に、ぐさりと心が抉られたのが数人いる様である。
いつまでもこんな感情を持つのは合理的ではないとわかっていながら、それでもこの愛らしい少女から目が離せない。
けれど、己にのこんな表情を引き出せるかというと、その自信は全くない。

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