君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第119章 119
「ん?気にしなくていいよ。が体調管理と、現場仕事に集中できるようにサポートするのが俺の仕事。甘えられるところはきちんと甘えて。ね?」
「…はい。ありがとうございます」
万理の言葉に頷き、微笑みながら水を飲んでマスクをかける。
移動中や乾燥が強い所はなるべく喉を守るためにマスクをすることにしている。
自分の声は自分にしか出せない、自分の演技は自分にしかできない。
そう自覚してからは、より一層体調には気を遣うようになった。
「この間、環くんがのこと疲れてるみたいだって心配してたけど…」
「環…こないだ天にも言ってたらしいんですよ、私が心配だって」
「環くんはを本当の家族のように思ってるみたいだからね」
「そうですね…大切にしてもらってると思います。心配かけない様に、もっとしっかりしないとですね」
の言葉に、万理は苦笑し、そんな万理には首を言傾げる。
「しっかりするより、環くんには素直に甘えていいかもしれないよ」
「そうですか?」
「彼は根っこがお兄ちゃんだから、頼られたり甘えられたりする方が安心できるところがあるのかもしれない」
「…なるほど。確かに、大丈夫っていうより、素直に伝えた方が環は安心するというか、ほっとしてくれますね」
「が大丈夫っていうと、スケジュールとか知ってる分、無理してるように聞こえちゃうんだろうね。に関わる人たちは基本的に君を甘やかしたくなるみたいだし」
俺もだけど。
そう付け足しながら万理はくすくす笑う。
「そんなに甘えていいものか、中々線引きが難しくて…」
「を甘やかしたくなるのは、それだけが頑張ってるってことを知って認めてくれてるからだと思うよ。甘えていいって言われたら、その時だけは頑張るのをやめて目いっぱい甘えていいんじゃない?」
車が事務所の駐車場に到着し、万理が車を停める。