君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第118章 118
「嘘でしょ…嬉々として作ってて中身見せてくれないから何かと思ったら…」
より早く起きて、エプロン着けてうきうきしながらお弁当を盛り付けていた恋人に、珍しくキッチンに入らないでと言われ、いう事を聞いていたらこれだ。
何というサプライズ。
「すごいクオリティですね…可愛い…」
「愛情がこもり過ぎなんよ…たまんない…ホント好き…。でも、龍くんの中で私って何歳なんだろ?」
「五歳くらい?」
「…幼女…」
そんな会話を交わしながら、それでも時間が迫っていることに気付き三人で手を合わせて食べ始める。
うさみみフレンズのキャラに箸が突き立てられるたび、一織の表情が悲壮感漂ってくるのをこっそり楽しむであった。
「昼飯の後の授業って眠ぃよなー」
「激しく同意…寝たい…」
「私たち出席日数少ないんですから、授業態度くらいきちんとしてください。はい、起きて」
「一織のいじわるー」
うー、と唸りながら上体を起こし、教科書とノートを開く。
文句を言いながらもきちんと残りの授業を受け、やっと放課後である。
「今日寮こねぇの?」
「うん。明後日事務所で打合せだから、その後に寮寄るね」
「そっか。あれ、俺らこっから仕事だっけ?」
「そうですよ。これから事務所帰って移動です」
「IDOLiSH7の人気も最近すごいね。私も頑張らなきゃ」
「っちはもう頑張り過ぎ」
「もう少し休めるとき休んだ方が良いですよ」
「はーい」
くすくす笑いながら一織と環に校門付近で別れを告げ、が帰路につこうとすれば、後ろから軽めのクラクション。
振り向けば、満面の笑みを浮かべは車に駆け寄る。
「龍くん!」
「お帰り、。迎えに来たよ」
「ゆっくりしてくれたらいいのに…でもありがとうっ」
助手席に乗り込み、辺りを見回してから龍之介の頬に口付ける。
「お弁当、ちょー可愛かった!美味しかったー。ありがとう」
「ちょっとかわいくし過ぎたかな?」
「若干、私は幼女かな?って思ったけど…でも嬉しかったよ」
くすくす笑いながら一織の様子などを伝え、二人で楽しく会話しながらスーパーの駐車場へと車を滑り込ませる。
夕飯の材料の買い出しだ。