君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第12章 12
「怖くなかった?」
「はい、何だか…暖かくて、幸せでした」
小さな声で問われ、もまた小さく答える。
そんなに微笑めば、龍之介もまた微笑み、ふと視線を動かした瞬間に、真っ赤になった。
「十さん?」
「て…天と楽がいる…」
「へ?え?!」
龍之介の言葉に、をはじめその場にいた全員がバッと振り返る。
その言葉通り、そこには九条天と八乙女楽の姿。
ぎゃーーーーー?!!
ここはいつライブ会場になったんだ?とばかりの歓声が上がり、バタバタと椅子が置かれ、飲み物が置かれ、ケータリングが時間を早めて呼ばれた。
「と、TRIGGERすっご…」
「天!楽!なんで…!」
「昨日の龍があんまりにも面白かったから、見に行こうぜってなった」
な?と楽が天を見れば、エンジェルスマイルを浮かべた天がにこりと微笑む。
「龍がお世話になってるのに、中々挨拶に来られなかったから。いつも龍がお世話になっています」
ぺこりと一礼し、にっこり微笑めば、周りの者たちはほぅ、と感嘆のため息。現代の天使は伊達じゃない。
「君が、さんか。九条天です」
「初めまして、小鳥遊事務所のです。十さんには本当によくして頂いています。そして、個人的にTRIGGERの大ファンです」
「ふふ、ありがとう。もうすぐクランクアップみたいだけど、最後まで龍の事よろしくね」
天に声を掛けられ、もまた深く一礼し微笑む。
「八乙女楽だ。よろしくな」
「よろしくお願いいたします。八乙女さん」
「「…………」」
の微笑みに、楽も、あの天でさえも一瞬惚けてしまう。
「ちゃん、本番まで時間あるって」
「え?そうなんですか?」
一瞬その場を離れていたらしい龍之介が、の肩に手を置き呟く。
がそちらを見れば、監督が手招きしているのが見えた。