君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第107章 107
『~、ごめん。次の人来るって』
『あ、はーい!ごめん龍くん、また夜にね!晩ご飯楽しんでね!楽と天にもよろしくねっ!』
「うん、ありがとう。」
『ん?』
「愛してる」
『へへ、私も愛してる!じゃあね』
嬉しそうに笑いながら答えると通話を切り、龍之介は待ち受けを見て小さく笑う。
「お、じゃん」
「待ち受けまでなの?気を付けてよね」
「うわぁ?!!楽…天…」
後ろから覗き込まれ、驚きながら二人を見る。
「煎餅、でけぇな」
「の顔が小さ過ぎるんじゃないの?」
「どっちもかなぁ…」
「まぁ、アイツ華奢だしちっけぇもんな」
「確かに。僕でもすっぽり抱き締められちゃうくらい細いよね」
何で二人がそんな事を知っているのだろう?と軽く首を傾げてみれば、二人ともとMV撮影で抱き合っていたなと思い出す。
「基礎体力上げたいって、最近筋トレもしてるから、またさらに絞られて…すっごいバランス取れた綺麗な体になってるよ」
「毎日見てる龍が言うんなら間違いねぇな」
「毎日見てるってわけ、じゃ……………」
「見てるね」
「見てんじゃねぇか」
ガッツリ見ている。
何なら朝から見る日もあるし、互いが休みの日は一日中見ている。
朝の準備も風呂も一緒にしたり入ったりしていることの方が多いのだから、当然と言えば当然である。
「見てました」
「あんた達、変な会話してないで明日の本番に向けて集中!」
「はい!」
「あ、がラビスタアップしてる」
言った傍からこれである。
龍之介がスマホを見れば、即座に口元を押さえ悶絶。
「何?」
「可愛い……可愛すぎる……」
悶絶のまま、スマホの画面を皆に向ければ、それぞれの反応が見られた。
「こーれはまた…」
「かっわいいな、おい…」
「龍の悶絶も納得」
ポップなカラーのボリューム感満載のスカートに身を埋めるようにしゃがみ込み、上からのぞくカメラに満面の笑みを向ける。
<新曲のMV撮影の内の一枚です!衣装可愛くってテンション上がったよー!>
そのコメントと共に見せる笑みはやはり魔性。
見るものをひきつけてやまないものであった。