君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第104章 104
くすくす笑うに、龍之介は嬉しそうに微笑み抱きしめる。
時々儚い雰囲気を漂わせることもあるが、自分と歳をとることを望んでくれているのがなんだか堪らなく嬉しくなった。
「はずっと可愛いままだろうなぁ…俺はずっとに恋し続けると思うよ」
「それは私も同じ。龍くんにはいつまでもときめいて、いつまでも恋し続ける。ずっと、愛してる」
きゅ、と抱き合い、唇が重なる。
「ん。さ、出よっか」
「うん」
温泉から出て、二人はそのまま一度服に着替える。
そのまま出かける可能性もあると思ったからだ。
「髪とかセットしちゃうね」
「ん。わかった」
寝癖を取り敢えず取りたい龍之介はそのまま洗面所へ向かい、もメイク道具を持って龍之介に続く。
が、メイクは後回しで髪をセットする龍之介の後ろに立ちそのまま抱き着いた。
「ちゃーん」
「んー?」
「そんな可愛い事されちゃうと…」
「セットしてていーよー」
くすくす笑いながら、は額を龍之介の背中に擦り付ける。
そんなのお言葉に甘えて身支度を整えていれば、やっぱり構って欲しくなったのかの擦り寄りが強くなってきた。
「ぎゅー」
「もうちょっとだから待っててね」
龍之介も構って欲しいのは分かっているが、ちょっとした悪戯心で身支度をあえて続けていれば、背後で頬を膨らませた様子が背中越しにわかった。
かーわいい。ほんっと可愛い…今すぐ抱き締めちゃいたい。
そんなことを思っているものの、ワックスを手に取ってしまった今、抱き締めることは物理的に叶わない。
けれど、構って欲しいはお構いなしに龍之介に何度も抱き着きすりすりと擦り寄る。
完全に甘えん坊の子猫である。
「もうちょっとだから」
「んーーーーや」
不満を伝える声まで子猫のようである。
のべたべたの甘えにくすくす笑いながらやっとこさ身支度を終え、龍之介が体ごとに向き直ればそのまま抱き締める。
「構って欲しくなっちゃった?」
「なっちゃった。ぎゅっ」
「はい、ぎゅっ」
「くふふ」
抱き締めれば満足げに見上げてくるの笑顔。