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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第103章 103




何やら照れている龍之介にほっこり微笑んでいれば、仲居が飲み物を持ってきてくれた。

「ありがとうございます」

次の料理を持ってくると言って去って行く仲居を見送れば、はそっと立ち上がり龍之介の隣に座る。

「お注ぎしましょうか?龍くん」
「じゃあ、お願いします」

龍之介の答えにそっと微笑み瓶を持ち上げゆっくりと注ぐ。

「お酌もし慣れてる?」
「うーん、お酌はあんまりしたことないよ。未成年だからよくないよねって言われて」
「確かに」
「でも見てたから、見様見真似が上手くいった感じかな」
「基本的には見てやってみたら出来たってこと多いもんね」

ダンスだって、スクールに通っていたわけでは無い。
東京に来てからはレッスンを受けているが、それまでは完全に見様見真似だ。
それでこれだけの出来というのは、本来の体の使い方が上手いのかもしれない。

「お酒美味しい?」
「美味しいよ。がいると100倍美味しい」
「ふふ、私も酒の肴になるの?」

くすくす笑いながら龍之介を見上げそのまま口付ける。
ふんわりと香るのは日本酒の匂い。
くちゅりと舌が割りいって来れば、僅かに酒の味がする。

「ん…」
「…これって、お酒飲ましたことになっちゃうかな」
「お酒の匂い嗅いだくらいだろうからセーフ」
「良かった。お酒飲んだらにキスできないとか拷問だよ」

呟きながら龍之介の口付けに応えていれば、ドアの付近から小さな咳払い。
視線を向ければ仲居が居心地悪そうに待っていた。

「メインかな?」
「だね。席戻ろっか」
「はーい」

見られた気恥ずかしさはあるが、ここで慌ててしまうとお互いに気まずい。
自然に龍之介から離れ、自らの席につけば食事が運ばれてくる。

「ごはんとお味噌汁もお持ち致します」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「わぁー、美味しそう」

その後もデザートまでしっかりと食べ、二人でご馳走様。
食器を下げて片付けてもらい、仲居が出ていくのを見送れば二人で顔を見合わせる。

「お風呂はもうちょっと後だね」
「ね。食べすぎちゃった」

二人で顔を見合わせくすくす笑っていれば今度は龍之介のスマホが鳴った。

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