君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第97章 97
「東京は二日間だけど、どっちに来る?」
「両方行くよ?」
「え、二日間取ったの?」
「うん。あ、でも一日目は次の日早いから終わったらすぐ帰らなきゃいけないの」
「そっか…会いたかったけど、でも俺は帰ったら会えるもんね」
「ん。二日目は次の日休みだから会いに行く」
そんなの言葉に、龍之介は俺も休み。と微笑む。
「あ、でも月曜日だからは学校か」
「そう。夕方まで…うぅ…」
「じゃあ、お弁当作ってあげる」
「いいの?!」
「うん。が良いなら」
「良いに決まってる!嬉しい!大好きーー!!」
「おっ、はは。そんなに喜んでもらえて嬉しいよ。でも、今はちょっと危ないかも」
嬉しさのあまり抱き着くに龍之介はくすくす笑いながらの頭を撫でる。
車はまだ高速に乗ってはいないため、それほどスピードは出ていないが、事故だけは何としても避けたい。
「ごめん、感極まって」
いかんいかん、と離れ様に龍之介の頬に口付けてから離れるに、龍之介はご機嫌である。
「」
「ん?」
「宿の晩ご飯何時だっけ?」
「ゆっくり目に八時とかにした気がするけど…」
「到着予定が四時…」
呟く龍之介には何かを感づいたのか、龍之介の頬を軽く突く。
「ん?」
「いっぱい愛してくれるの?」
「そのつもり」
「いっぱい愛し返してもいい?」
「…最高」
今回は観光もほとんどしない、お籠り旅行である。
ホテル内のもそれなりの娯楽施設はあるようだが、部屋に露天風呂付き、食事も部屋食となれば、部屋から出るのは売店に行くくらいだろう。
が未成年であるためにラウンジに行くこともない。
「ほとんど部屋から出られないけど、楽しみだね」
「そうだね。温泉楽しみだなぁ」
「一緒に入る?」
「絶対入る」
そんな他愛無い会話を交わしている間に、車は高速に乗っていた。
「休憩は?」
「トイレは大丈夫だけど、喉乾いちゃった」
「じゃ、サービスエリア寄ろっか」
「ん」
大きなサービスエリアだと大騒ぎになる可能性も考慮し、小さめの所謂パーキングエリアに入る。
「人少なめだね」
「うん、良かった」
「龍くん、何飲む?」
「一緒に行くよ。せっかくの旅行デートだし」