君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第96章 96
「相手がの方が良いって言ったのかな」
「迷惑でしかないよ…私は龍くんじゃなきゃ絶対嫌」
「ん、そう言ってくれて嬉しいよ。愛してる」
「私も愛してる。ちゅーして、ご飯食べよ」
「キスは絶対?」
「絶対」
くすくす笑いながらの顎をそっと掬い口付ける。
絡む舌を味わうように何度も啄んだ。
「可愛い…」
「ふふ、龍くんにだけね?」
再度抱き締め合い、ようやく食卓に着けば綺麗な和食が並べられていた。
「美味しそう」
「明日は沖縄料理満載にするね!」
「楽しみだなぁ。明日も仕事頑張れそう」
現在、はスケジュールを少し抑え、ゆったり目の予定となっている。
女優の他に歌手の草鞋も履いたため、その分のスケジュールは少し増えたのだが。
それでも以前の分刻みのスケジュールでは無い故に、気持ちも体力も余裕が出来てきた。
また少しすれば忙しいスケジュールへと変わるのだが、今は穏やかに過ごしている。
「明日は学校行けるんだっけ」
「うん!明日は帰ってから荷造りもするの」
二人手を合わせ食べながら他愛ない会話を交わす。
のその表情はとてもうきうきとしていて、龍之介も思わず笑みがこぼれる。
「俺も少しずつやらないとね」
「龍くんのもあらかたやっておこうか?」
「いいの?」
「うん。今龍くんの方が忙しいし、ライブの準備も忙しいでしょ?」
「うん…ライブ…は楽しみなんだけど、毎週末を一人にするの心配だよ。寂しいし」
「私も寂しい…ついていきたいけど土日はお仕事だからなぁ…。あ、東京公演はチケット取ったよ」
寂し気に息をつく龍之介に微笑みながらは嬉しそうに報告である。
「チケット用意したのに」
「推しには自力で会いに行きたいの」
「終わったら楽屋来て?パス渡すから」
「絶対行く!」
頷き微笑みに龍之介も笑みを返し、二人で食事を終える。
「…また電話」
食器を洗っていればスマホが鳴る。
小さくため息をつけば手を洗って拭き、電話に出る。
「お母様。…お断りしますと言いましたけど。は?お父様が?余計なお世話です。恋人も結婚相手も自分で決めます。後継ぎはお姉様なんですから、お姉様の相手探しに尽力されたらいかがですか?」