君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第95章 95
ならば仕方なしとばかりに唸りながら頷いた。
早速姉鷺がスタッフを呼び、スタッフと共に出ていくは扉が閉まるその瞬間も、多分閉まった後も、ずっと唸っていたとTRIGGERの三人は推測する。
「どんだけだよ」
「TRIGGER狂い女優は伊達じゃないね。可愛い」
「ほんと可愛いよな、アイツ」
「は世界一可愛い子だから」
「最近あんた達もちゃん狂いに拍車かかってるんだから気を付けなさいよ」
姉鷺のその言葉に三人で顔を見合わせる。
確かに、その自覚がないとは言えないが。
一方、席に案内され着席したは、早速タオルを首にかけ、Tシャツを服の上から着込んでリストバンドを装着する。
両手にペンライトと団扇を持って準備は万端だ。
ミュージカルの見方じゃないだろ、と言いたくもなるが、周りの雰囲気もライブのような高揚感が漂っている。
「さん…?」
「はい!お隣お邪魔します!」
隣の席に着いた少女にあっさりと身バレし、はっきりと同意した。
前後左右からの視線が痛い。
「え、関係者席じゃないんですか…?」
「関係者席は…偉い人がふんぞり返ってて応援しにくくて…なので一般応募しました!…あ、でも席取れるなら私関係者行って、ファンの人が一人でも多くはいれるようにした方が良かったのかな…気が付かなくてすみません」
「え、い、いえ本当にTRIGGER好きなんだなって、思って…何だか嬉しいです!」
同じファンに嬉しいと言われ、もまた嬉しそうに満面の笑みである。
瞬間、周りのファンたちもの笑顔に見入ってしまう。
魔性の笑みは健在だ。
「良かった。一緒に楽しみましょう!」
「…っあ、はい!」
そんな言葉を交わしていれば、公演が始まる。
そうなってしまえば一般人だとか芸能人だとかは互いに全く気にならず純粋に楽しんでいた。
「龍…か、っ、こ、い、い…!」
「え、ちゃん大丈夫ですか?!」
「大丈夫です!十さんかっこよすぎ…かっこいい…」
TRIGGERの熱演にうっとりしていれば、龍之介はいち早くに気付いたらしい。
にこりと微笑み、に向かって指ハート。