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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第92章 92




瞬間、掴まれたままの腕を引き寄せられ、は龍之介の胸の中へと戻った。

「ありがとうございます」
「どういたしまして。…龍之介くん」
「はい」
「この子、離しちゃダメだよ。僕含め、オオカミさんはいっぱいいるから」

まだ諦める気は無いとも伝える千の言葉に、しかと心に受け止めます、と龍之介は頷き、の肩を抱く。
そんな龍之介の肩に自らの頭を乗せ、微笑むは大層可愛らしい。

「から離れていかない限り、俺から離れることはありません」
「私が離れてくわけないのに」
「それは信じてる。さ、晩ご飯何食べる?」
「昨日ビーフシチュー仕込んどいた!」
「そうだった。じゃあ、帰ろっか」
「んっ」
「ちょっと待った」

にこやかにその場を離れようとすると龍之介に、百がストップをかける。

「?」
「まさか、一緒に住んでないよね?」
「「住んでます」」

二人の返答に、途端にムンクの「叫び」のようになる百。

「うらやまじい…」
「百さん、どんだけにお熱だったんです?」
「割とかなり。でも、どう頑張っても龍之介には勝てなさそ」

現在、歌おうとすると声が出なくなってしまう百がこれだけ話して、嫉妬混じりながらもいつものものに近い笑みを浮かべることに若干の安堵を浮かべつつ、その思いに苦笑する。

「さすがに千さんや百さんに言われても、だけは譲れないです。じゃあ、俺たちはここで失礼します」
「お疲れ様でした!こけら落とし楽しみです!全通するので、皆さん頑張ってくださいね!では」

一礼する龍之介に変わり、微笑みながら軽く手を振り去って行く。
振り返ればちゃっかりと腕を組み幸せそうに微笑みあう。

「龍之介といるちゃんが一番可愛いじゃん!」
「そうなんすよね」
「の良さを一番引き出せるのって、龍なんですよね」
「十さん凄すぎる…」

そんな会話を背に、龍之介はを車に乗せ、自らも運転席に乗り込む。

「お疲れ様」
「もお疲れ様。このまままっすぐ帰って良い?」
「うん、折角二人で早く帰れるし…。二人も明日ゆっくりだし、ゆっくりご飯食べて、お風呂入って、ちょっとだけ夜更かししよ?」

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