君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第91章 91
「陸…?」
「…っ、ん?なぁに?ちゃん」
「…ううん」
何でもない、と軽く首を振りつつも、陸の隣に立ちそっと見上げる。
「天と、喧嘩したの?」
「あ…ううん、喧嘩じゃないよ。天にぃ…九条さんは俺のこと褒めないなぁ、って…ちょっと寂しく…何言ってんだろ、俺。気にしないで!」
「気にする。これ、秘密ね?」
口元に人差し指を立て、陸を見上げれば、一度首を傾げるも頷く陸。
「天、割と過保護だよ。陸の小さい頃の事よく話してくれるし、その時の天すっごく優しい顔してる。天は徹底したプロだから、仕事に関してはえげつないくらい厳しいけど、ちゃんと陸のこと考えてる。だから、大丈夫」
「うん…ありがとう」
「嫌われてるとは…思ってないよね」
「うん。そう思ったときもあったけど、今は思ってないよ」
「良かった」
「、えげつないは悪口」
びくぅっ!!
後ろからこっそり囁かれ、はビシッと背筋を正す。
「てててて、天?!!」
「何をコソコソ話してるかと思えば。ほら、龍が寂しそうだから戻って」
「え?ありゃ…しょぼんとして可愛い…」
天の言葉に視線を向ければ、何だか寂し気な龍之介の背中。
それを認めればそっと近づき後ろから抱き着いた。
「大好き!」
「わぁ?!…こっちおいで」
そっと手を伸ばされ龍之介の前に立てば、そっと頭を撫でられてから抱き締められる。
「寂しくなっちゃった?」
「仕方ないことだとは分かってるんだけどね」
うりうりと額を合わせられ、何とも言えない気持ちが溢れる。
「みんなのこと、大好き」
「そうだね。それがのいい所」
「だけど、誰よりも愛してるのは龍くんだけだよ?私は龍くんの。どこかに行っても、龍くんしか見えないし、龍くんのことしか愛せない」
「…俺も愛してる。やきもち妬いてごめん」
「ヤキモチ妬いてくれるのは嬉しい。でも、疲れちゃうから、安心しててほしい。ね?私は龍くんが大好き!」
かーわいーっ!!
満面の笑みで龍之介に抱き着くのその笑顔を見た一同。
龍之介にバレないよう、こっそり悶える。