君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第91章 91
ゼロアリーナのこけら落としを数日後に控えたある日。
シャッフルユニットの練習スタジオにがやってきていた。
「お疲れ様でーす!差し入れどうぞー!」
「っちー!」
「ちゃん!お疲れ様!」
「お前さん、今日休みだったか?」
まず駆け寄って来たIDOLiSH7のメンバーたちに出迎えられ、三月に差し入れの入った袋を託す。
「午前だけ仕事だったから、直で来たの。えっとね、紙袋にサンドイッチと、こっちの袋に王様プリン入ってて、お茶と珈琲とスポドリあるから、好きなの選んでね」
盛りだくさんの差し入れに皆が目を輝かせていれば、その隙に!と言う訳でもないがの足は自然と一か所へ向かう。
「龍くん」
「、お疲れ様。来てくれてありがとう」
「龍くんもお疲れ様!…会いたかった」
「俺も」
家帰ったらいるだろうがよ。
ひしっと抱き合う二人に周りが心の中で静かに突っ込む。
確かに、朝には一緒に起きて一緒に朝食もとっているのだから、たった数時間会えていないだけだ。
「今日も可愛い」
「それ朝も言ってた。龍くんもかっこいい」
「も朝言ってた」
額にそっと口付けながら龍之介は微笑み、額への口付けと共に片目を閉じ笑うに再度可愛いと伝え抱き締める。
「なんか、最近イチャイチャに拍車かかってね?」
「家じゃいつもこんな調子だよ」
「え、天に…九条さん、十さんとちゃんの家行くことあるの?ですか?」
「たまにね。の洋食の練習台になってる」
どれも美味しいから良いんだけど。
そう呟きながら天はの首根っこを引っ張り、龍之介から引きはがす。
子猫扱いか、慣れてんな。
と大和が思うと同時にもまた子猫のような声を上げた。
「にゃーあ!天…!」
「が来たからみんな休憩の雰囲気になっちゃったし仕方ないんだけど、誰が来るかわからない場所でいちゃつかないの」
「はぁい、ごめんなさい」
「うん、良い子」
素直に謝るに微笑み、天はの頭を撫でる。
それにも嬉しそうに笑えば、天の背後に寂しげな表情の陸を見つけた。